複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.279 )
- 日時: 2013/03/13 21:23
- 名前: 純金リップ (ID: AO7OXeJ5)
佳夢が九歳の頃。
その頃は、まだ純粋な子供だった。
殺人鬼になるのは、まだ先の話である。
その時、何の理由もなく一人で公園にいた佳夢は、
一人の女子高校生と出会った。
それが、夕子である。
夕子は優しい性格で、
自分の半分ほどしか生きていない子供と、
対等な目線で遊んでくれた。
傍から見れば、いい兄妹、という感じだろうか。
五時になったので、
佳夢は家に帰ることにした。
「また遊ぼうね」と約束をし、
佳夢は公園を去った。
家に帰って刻夢にその事を話すと、
「へぇ、変わった人がいるもんだ」と
言っていたが、佳夢は変わっているとは思わなかった。
その次の日も、佳夢は公園へ行った。
昨日と同じ様に、夕子はいた。
その日も一緒に遊んだ。
滑り台で遊んでいるとき、
夕子が言った。
「佳夢君...。苗字『鎌奈』っていうんだね」
「...そうだよ?」
「変わった名前だね」
「そうかなぁ?」
「そうだよ、変わった名前だよ」
その時の夕子の表情は、
何故か重い表情だった。
「じゃあ、夕子さんはなんていうの?名前」
「え?私?それはちょっと...、言えないかな」
佳夢はその時は何とも思わず、
ただ「変なの」と口にして、
遊びを再開したのは覚えている。
「あの〝魔術師〟野郎が口にしてた『夕子』ってのは、
まずその人で間違いないと思います」
「こ、根拠は?」
「特にないです」
紅介は呆れながらも「わかったよ」と納得する。
「...しかし、何故そんな人が、関わってくるんだ?」
「さぁ。でも...、今回も俺が行かなきゃいけないみたいですね」
「それは駄目だ」
佳夢は意外な返答に驚く。
「なんで、ですか?」
「今まで、お前に任せすぎてたよ。
いや、お前が話さなかった、てのもあるが、しかし、
こういう問題は、大人が解決するもんだ」
いや、違う。と、佳夢は言いたかった。
だが、その前に、後ろから足音が聞こえてきて、
佳夢は振り返った。
帆花があわてた様子で、こちらに向かってくる。
「帆花さん?」
「よ、佳夢君!電話!」
「誰から?」
「夕子、って人から...」