複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.285 )
- 日時: 2013/04/16 22:00
- 名前: 純金リップ (ID: AO7OXeJ5)
それから、三日間が過ぎた。
愛子がどこに連れ去られたかは、いまだ分からない。
夕子や長司の目的も掴めておらず、
あちらからの連絡もない。
彼らはどうしているのか——。
鎌奈家から少し離れたとある住宅に、
愛子はいたのだった。
しかし、監禁されている訳ではない。
普通にそこで生活をしていた。
【For five long, long days 】
大きな目覚ましの音で、愛子は目を覚ました。
そして、自分の意識が鎌奈家の庭で途切れたのを思い出した。
「!」
ハッとして、あたりを見回す。
見覚えのない畳の部屋だ。
愛子はそこに敷かれた布団で眠っていたらしい。
ここはいったい何処だろう。
ふと隣を見ると、抜け殻となった布団がある。
もう一人誰かいるのだろうか。
さらに、ふすまの向こうから、一般家庭のキッチンから聞こえるような、
朝食を作る音が聞こえてきた。
そして、そこに交じって、陽気な鼻歌も。
少しためらったが、愛子はふすまを開けた。
生活感あふれるリビングがそこに広がっていた。
部屋の角におかれたテレビ。
そして、その正面にソファー。
ソファーには洗濯物が置いてあり、
今は人が座れるようにはなっていない。
さらに、横長の机に、五つ、椅子が並んでいる。
机の上は整理されていて、拭いたばかりなのか
綺麗に光っている。
「あ、おはよう」
愛子が不思議な気持ちでそのリビングを見つめてると、
キッチンの方から声がした。
「いい夢見れた?」
声は女の人の声だが、姿が見えない。
「今朝食作ってるから、そこに座っててよ」
「あ、はい...」
寝起きで判断力が鈍っていたのか、
言われるがままに座る。
「そうだ、顔見せてよ。夜だからよく顔見えなかったんだよねー」
「...はい?」
キッチンの入り口から、女の人が顔をのぞかせた。
「おう。ホントだ、私そっくり」
愛子は思わず目を見開いた。
顔を出したのは、自分がそっくりそのまま大人になったような、
そんな容姿をした女の人だった。
「よろしくね——妹ちゃん」