複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.287 )
日時: 2013/04/25 22:52
名前: 純金リップ (ID: GMKAzVcQ)

そして数分の間、沈黙が続いた。
気まずいと思った夕子は、
何か話題がないものかと考えた。
テレビも今は朝のニュース番組ばかりで
面白そうな番組はやってない。
こんな時のために
ディズニーチャンネルでもとっておけば良かったと、
夕子はいらぬ後悔をした。

そこへ、場をつなぐ助け舟が来た。

木製のドアを開け、リビングに入って来たのは、
天都長司と、その嫁候補の、日向音海だった。
彼らは本来は天都家のビルに住んでるのだが、
しかし、今だけはこの家に滞在してるのだった。

いきなり入って来た二人組に対し、
愛子がどんな反応をするかと思ったが、
意外に驚きもせず、
二人を一瞥すると、
視線をテレビに戻してしまった。

「おはようございまーす」
「おはようございまーす...」
上半身裸の長司と、まだ眠そうな音海は、
すぐキッチンに向かい、トースターでパンを焼き始めた。

「長司君、服着なよ」
リビングからキッチンに向かって、愛子は言った。
「えっ...嫌っすよ。今日暑いじゃないですか」
「だからなによ。着なよ。愛子ちゃん引いてるよ」
「あ、いや、別に...」

これは遠慮しているとかではなく、
鎌奈家にも寝起きを上半身裸で過ごす人物がいるので、
愛子は本当に気にしていなかった。

「ほら、いいってさ」
「駄目だってばー」
夕子は立ち上がって、
一旦リビングを出て行った。
おそらく、シャツを取りに行ったのだろう。

「いやぁ、相変わらずだなぁ。夕子さんは」
長司と音海は焼けたトーストを皿に乗せ、
テーブルに向かい合うように座った。
「えっと、初めまして、かな。俺は天都長司
零番目の〝愚者〟なんだ」
「あ、はじめまして」

何かがおかしくなったのか、
もう愛子は何者にも動じず、
平然と挨拶を交わしていた。

「えっと、そいつは日向音海。オイ音海、起きろ」
長司は、席についてもまだうとうとしてる音海の額を叩いて起こす。
「あうっ...」
「ほら、自己紹介しろ」
「...日向音海。三番目の〝女帝〟...。眠...」
「起きろっつの」