複雑・ファジー小説

Re: 【早速オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族 ( No.33 )
日時: 2012/07/30 16:58
名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)

「あいつと同じ?っつーことはなんだ。同一犯ってことかい?」
「はい。俺の推理が合っていれば。」
「へぇ...。そいつは面白そうだ。なんか進展があったら話聞かせてよ。この俺が手伝ってやるぜ?」
「...いいえ。大変ありがたいんですが、お断りします。さっき妹達からもそう言われて...。また五月蠅くされると困るんで。」
「へぇ。大変だねぇ。ま、頑張りな。」
そう言って真呉は去って行った。

午後。
学校から帰ろうとすると、校門で待ち伏せされていた。
「あ、佳夢君。」
彼女は佳夢を見つけると、長い髪を靡かせながら走ってきた。

古見咲。
十七歳。この時まだ十六歳。女。はとこ。学生。牡牛座。
一年間に読む本の冊数、142冊。その他、特になし。
一族きっての文学少女。

ここの学生ではないと一目見て分かる白いセーラー服。
何せ佳夢の通う学校はブレザーで、
それ故に咲の服は浮いていた。
しかし、そんな事を気にするそぶりも見せずそこに立っていた咲に、
佳夢は大人しげな少女の中に潜む強さを感じた。
「久しぶりだな、咲。」
「そうだね〜。本当に久しぶり。」
咲は嬉しそうに微笑む。

「で、どうしてこんなとこに居いるんだ?」
「あぁ、あのね。伝言があるの。」
「伝言?」
「うん。うちのお母さんからでね。えーっと...。」
咲は鞄からメモを取出し、そこに書いてある文面を読み上げる。
「今週の日曜から実家へ帰ります。覚悟しておいてください。だって。」
「...それだけ?」
「うん。他にはなんにも書いてない。」
呆れて言葉も出ない佳夢であった。

「それ位メールやら電話やらで伝えればいいのに...。」
「私のお母さんアナログだから。なんか私、伝書鳩みたいだね〜。」
「アナログってレベルじゃないぞ、それ...。」
それでもやはり咲は気にしていない様だった。
「あれ?でもお前どうすんの?わざわざこっちまで来て帰るってこともねーだろ。」
「うん。もちろんこっから直行で家に行くよ。ひいおじいちゃんにもあいさつしないといけないしね。」
持っていた鞄がやけに大きいのはそのためか、と佳夢はいまさらながら察する。
佳夢は何も言わずそのかばんを持ち、歩き出す。
「あれれ?佳夢君?」
「持つよ。」
「え、いいの?」
返事はせず、さらに前を歩く。
咲は仕方なくその後を追いかけた。