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「ここも変わってないねー。」
家の門の前までつくと、咲はそう言った。
「お邪魔しまーす。」
「ただいま。」
二人が玄関に上がると変わらず真夢が出迎えた。
「おかえり．．．、あれ？咲ちゃん？」
「あ、真夢ちゃん！久しぶり！」
「久しぶり！うわ、大きくなった！」
「真夢ちゃんこそ〜。」
真夢は咲と話すのに夢中で帰ってきた佳夢には全く無関心なので、
佳夢はそのまま権砕の部屋へ向かった。

「ほほう。咲が来てるのか。」
「えぇ。今週の日曜には響さんも来るそうですよ。」
響とは咲の母親で、佳夢の父の従妹でもあった。
「むう．．．。相変わらずじゃな、あいつも．．．。」
権砕は困ったように笑う。
いや、本当に困っていた。
「しかし、これ、まずいですね。」
「何がじゃ？」
「いや。一族が一堂に会したら、虐殺師の思うつぼじゃないですか。」
「なあに。離れてるよりマシさ。儂の保護下に置けるからな。」
しかし、佳夢はそれでも不安であった。

リビングに戻ると、何人かが集まって咲と遊んでいた。
主に女子だが、恐らく無理やり連れてこられた裏夢もいた。
助け舟は出さず、通り過ぎる。
佳夢はそのまま部屋に向かおうとしたのだが。
「佳夢君。」
「あ？」
振り返ると、琥珀だった。

星野琥珀。
十四歳。この時まだ十三歳。女。はとこ。学生。水瓶座のＡ型。
白美と喧嘩した回数、１９４回。成績、１９２勝０敗２引き分け。
一族きってのハンター。