複雑・ファジー小説
- Re: 【早速オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族 ( No.39 )
- 日時: 2012/08/04 00:02
- 名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)
「——なんだよ。」
琥珀の言葉に白美は絶句する。
「な、嘘、だろ?」
「嘘じゃねーよ。」
そう言って琥珀は服についた土を払いながら起き上がる。
「おい、大丈夫か...。」
気に掛ける白美を無視し琥珀は部屋を出ようとする。
「失敗か...。菜夢に謝らなきゃな〜。」
「ふあぁ〜...。疲れた...。」
ベットに横たわりながら佳夢は大きくのびをする。
「全く、無理させてくれるぜ。俺だって若くねーのに...。
あ、なんかオッサンみたいだな、俺。」
そう言って目を閉じる。
三月二十一日。
ふと、目が覚める。
時刻は午前二時。
自分がなぜ起きたのかも分からずも、
咲はベットから這い出る。
思いがけず、ベットから落ちる。
「うあっ」
上半身を起こし部屋を見渡たす。
そこは、すでに死んでしまった彩奇の部屋。
なにせ、突然の来客だったので部屋がなかったのだ。
それでも咲は文句を言わずこの部屋を借りている。
部屋に入った時は彩奇の生前そのままで
いらないものがいくつか(主にアニメのポスター)あったが、
それも裏夢や真夢の手によって撤去された。
「べつにそんなことしなくてもいいのに...。」
と、咲は言ったのだが、裏夢が、
「いや、全部剥がす。」
と言い切るのでそれ以降口が出せなかった。
真夢の方も乗り気で、燃やすとか不吉なことを言っていた。
もっと保管するとか売るとかあるだろうに
と、咲は言いたかった。
そんなことを思い出しながら、咲は寝なおそうとする。
しかし、なかなか寝付けず、取りあえず部屋にあった本を読む。
次はストレッチをしたがそれでも寝付けず、
終いには部屋を出ていた。
「適当に散歩しよう...。」
と、言葉通り適当に屋敷内を散歩する。
すると、廊下の角を曲がったところで、人とぶつかった。
「あ、斧間君。」
「...こんばんわ、咲さん。」
「奇遇、だね。」
「そうですね。」
そう言った限り両者とも黙り込み、気まずい空気が流れる。
普段は和服を着る陣呉だが、この時ばかりは普通の寝間着を着ていた。
それが似合っているから恐ろしい。
「咲さん。」
「えっ...!なに?」
「大丈夫、ですか。」
何の事かと思って咲は首をかしげる。
「虐殺師の事です。」
「あぁ。それ、ね。」
「俺とかは耐性ついてますけど、咲さん一般人だし、
覚悟した方がいいですよ。」
「覚悟って...?」
「多分。あと二、三人は殺される。」
陣呉ははっきりと断言した。
「彩奇さんと同じ殺され方で。」
「な、なんでわかるの?」
「さあね。勘です。ただ、その現場を見たときに、
咲さんが精神を正常に保てるか。それが心配なんです。」
「そんなにひどいの...?」
「ええ。まあ。」
頷いて、縁側に座り込む。
咲も、その隣に腰を下ろす。
「咲さん。俺は正直言って、この事件はかなり恐いです。」
「そう...、だよね。陣呉君でも、そう思うよね。」
「ええ。彩奇さんがああも容易く死んで、
俺は本気で恐怖を感じました。」
陣呉は頭を掻き毟る。
「でも、この事件は絶対に解決しないと。」
「うん。私も出来る限り協力するね...。」
「...無理はしないでくださいよ。」
咲はうなずく。
咲には自分にできることをやろうという気持ちは十分にあった。