複雑・ファジー小説

Re: 【早速オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族 ( No.4 )
日時: 2012/07/29 22:06
名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)

「ところで佳夢クン。おじいちゃんと話してたこともう一つあったよね?」
「うぐっ...。」
不意打ちで痛いところを突かれ、言葉につまる。
話していいものかと迷ったが、彩奇の前にごまかしは通じないことを知っていた。

「なぁるほど。」
話を聞いた彩奇は、二、三回頷く。
「虐殺師、ね。」
「聞いたことある?」
「ある...かもしんない。」
「なにその曖昧な返事。」
佳夢は首をかしげる。
彩奇は立ち話に疲れたのか、窓に腰を掛ける。
少し間違えれば後ろに落ちてしまう。
「虐殺師じゃないんだけど、そんな感じの奴を知ってる。」
「そんな感じって?」

彩奇はにやりと笑った。
「それがね、今の話みたいに『一人残らず殺す』っていう文章がある手紙を送りつけ、なんと、ホントに殺しちゃうらしいの!どうかしてるわね!」
それを嬉しそうに話す彩奇もちょっとどうかしていた。
しかし、それは大変興味深かった。
全員、一人残らず、殺す。
そんなことを本当にできるのか。興味が湧く。
「一部では虐殺師とかじゃなくて『ジャバウォック』って呼ばれてるらしいの。」
「『ジャバウォック』って、あれだ。鏡の国のアリスに出てくる奴。」
「そ。まぁ、どっかの中二病がつけた名前だね。きっと。」
話し終えると彩奇は窓の上から降りる。

「それじゃ僕は部屋で友達とチャットすることにするよ。」
そう言って彩奇は佳夢の頭を強引に自分のもとに寄せ、
頬に唇をつける。
「——!」
俗に言うキスであった。
唇を放すと、彩奇はひらひらと手を振って部屋に戻っていく。
「じゃあね〜。虐殺師退治頑張ってね〜。」