複雑・ファジー小説
- Re: 【早速オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族 ( No.46 )
- 日時: 2012/08/05 23:47
- 名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)
「...いやいや...。冗談はよせよ、佳坊。」
「冗談じゃないですよ。」
「な、何か根拠があるのか?」
「まあ。あるっちゃあ、あります。でも、悪魔で推理ですから。」
首をかしげる紅介。
「わからん...。」
「それは紅介さんが家族を疑ってないからですよ。
疑っちまえば、案外簡単です。」
「じゃあ、お前は疑ってるのか?この家の人を。」
「疑いたくはないですがね、信じるわけにもいかない。」
「でも、問題は殺したのは誰かってことになるんですよね〜。」
「むう...。佳坊の推理通り、この家の者が犯人だとしても、
やはり、逃げも隠れもするだろう。」
「そうなんですよ...。あ、そうだ。」
佳夢は思いついたように手をポンと打つ。
「どうした?」
「事情聴取をしよう。」
その後佳夢は、いきなり部屋を飛び出し、この家の人物一人一人に
事件のあった時刻の時間帯の事を聞いた。
死亡推定時刻はは午前二時。
佳夢はもう既に夢の中であった。
そして皆に、その時のアリバイを聞いてまわった。
大半は寝ていたが、起きてる者もいた。
それでも、部屋にいたなど、手がかりになるようなものはなかった。
だが、たった二人。
その時間帯起きていて、なおかつ、外に出ていた者がいた。
その一人目に会ったのがちょうど正午。
事情聴取をして回ってると、とある人物に出くわした。
白銀彼岸。
二十歳。男。従兄。大学生兼発明家。天秤座のO型。
今まで作った発明品の数、397個。妹大好き。
一族きってのメカニック。
言わずと知れた、菊花の兄。
そんな彼にあったのである。
「おお、佳ちゃん。どうしたんすかー?そんな急いで。」
「彼岸さん、ちょうどよかった。あのですね...。」
取りあえず急いではいたので、聞きたい事だけをはっきり聞いた。
「その日の午前二時?」
「はい。覚えてることだけ。」
「あ〜。その時はまだ起きてたッス。
寝れないんで、部屋の外をブラブラしてたッスよ。」
「へぇ...。」
自分で墓穴を掘った。
間違いなく疑われる。
しかし、彼岸に犯行は不可能だ。
何故なら彼は、女性恐怖症で、妹以外の情勢と会うや否や、
バタンキュ〜という効果音が似合う勢いで倒れるのだから。
彼に彩奇を殺すことは、不可能であった。
「じゃあ、怪しい点は?」
「いや、特になかったッスよ。」
彼岸は首を横に振った。
「わかりました。」
佳夢は頭を下げて、その場を去ろうとした。
「そうだ、佳ちゃん。」
「?」
「今度陣呉を痛い目に会わせようと思うんだけど、一緒にどう?」
「今度は何をしたんですか、陣呉。」
多分特に何もしていないとは思うが。
「いや〜、この間、妹となれなれしく話してたから...。」
妹一番の彼にとって、陣呉は強敵であった。
何せ、菊花は陣呉を慕っているのだから。
それはもう、腹が立つのだろう。
佳夢には到底理解できないが。
「...見てないです。」といなして、佳夢はその場を去った。
二人目は紹介の要らぬ、彼岸の妹。
菊花であった。
天敵である紅介がいるにもかかわらず出歩ける彼女の勇気は、
やはりというか、賞賛に値する。
「その頃は確か...、まあ、散歩しとったかな。」
「成程。白銀兄妹は息ピッタリ、って訳か。」
「は?何言っとんの?」
「いや、何でもない。」
しかし、菊花もまた、犯行は不可能だと、佳夢は思っていた。
これはさっきの話と矛盾するのだが、佳夢は信じている。
菊花は人を殺せない、と。
あれほど身内を疑うなどと言った佳夢でも、
流石にその事実ばかりは疑えない。
なぜなら、菊花はあんなことが出来るほど残忍ではなく、
裏人格がある訳でもない。
だから、菊花には無理だと、考えていた。
信じていた。
「う〜ん。後、不審な点は?」
「不審な点?そんなんなかったわ。うん。ワシが言うのだから間違いはない。」
「その根拠は何処から...。」