複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【何か新キャラ出てきた】 ( No.75 )
日時: 2012/08/12 18:21
名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)
参照: バットマンビギンズのブルーレイを購入。嬉しい。

その後。
消防車が続々と家へ集まり、消火を開始した。
咲が呼んだのであった。
そんな中佳夢は権砕の部屋へ呼ばれていた。
只ならぬ雰囲気の中、権砕と向き合うのはかなりきつい。
佳夢は落ち着きを取り戻してはいたが、まだ、状況は呑み込めていなかった。

「佳夢よ。お前が言ったことは本当かな?」
「はい。たしかに、天都、と名乗ってました。あの二人。」
権砕は唸って考えるように顎に手を当てる。
「天都、ってなんですか?なんか、知ってるんですか?」
「ん。ああ。天都家とは深い因縁があるからの。」
「因縁...。」
権砕はゆっくり頷く。
「恐らく、鎌倉時代からの因縁であった。
じゃが、両家の仲をさらに悪くする事件があっての...。
まあ、詳しい事はまた今度話そう。今は休め。」
「...あの人たち、相当やばいんじゃないですか?
なんか、スタンドを使ったり、北斗神拳を使いそうでしたよ。」
「確かに奴らは常識破りではあるが、
その点では儂らと変わらん。寧ろ、こっちの方が優れている。」
ヤバさに優れいているとは、あまり嬉しくないが。
次に佳夢は何故天都家が陣呉を連れ去ったのか、聞いた。
しかし、それは権砕にも分からないという。

一度部屋に戻り、それから彩奇が殺されたあの庭へ向かった。
ぼんやりと夜空を見上げていると、横に真呉が立っていた。
「真呉さん...。」
「佳夢っち。俺は謝らねばならん。お前に。」
「え?」
そう言うと真呉はこちらを向いて深々と頭を下げた。
「本当にすまない。」
「えっ、いや、別に...。なんで真呉さんが...。」
「俺の息子が本当にすまない事をした。」
真呉は頭を上げ真剣なまなざしで佳夢を見た。
「あいつがどこで狂ったのか、ハッキリ言って、俺にもわからない。
俺は親として失格だ。でも、それでも謝らせてくれ。」
真呉はもう一度頭を下げた。
佳夢は唇を噛み締めた。
「真呉さん...。」
呼ばれて、真呉は顔を上げる。
「絶対陣呉を連れ戻してきますから。」
「...頼む。」
真呉は目を深く瞑って、佳夢の手を握った。
強く。強く。

こうして、前日譚は終わりを告げた。
呆気なく、次回への伏線を残し。
本番はこれからであった。