複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【何か新キャラ出てきた】 ( No.84 )
- 日時: 2012/08/13 13:53
- 名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)
- 参照: 前のやつをちょっと訂正。
それは運命を感じるには申し分のない、出会いであった。
「...あの子、彼氏とかいるの?」
「さぁ、どーかな。何?佳夢、まさかの一目ぼれ?」
「...ま、そう言うに値するであろう感情が
俺の中でじょじょに姿を現してはきてるな。」
「詩人だな。」
友人は苦笑する。
確かに美人ではあるが、それを凌駕する理由ぐらいは、存在していた。
「なんだろ、なんか、まるで、あの人の生き写しだ。」
「はぁ?」
「いや、なんでもない。」
佳夢はとりあえず、その日は帰ることにした。
家に帰り、まず出迎えてくれたのは、権砕であった。
「おう。帰ったか。」
「あれ?どっかでかけるんですか?」
「うむ。ちょいと散歩に行こうと思っての。」
「そうですか。」
権砕は下駄を履いて、佳夢の横を通り過ぎる。
「いやあ、前までは騒がしくて退屈しなかったのにのう...。
咲も帰ってしまったし...。佳夢がなにか面白い事を起こしてくれんかのう...。」
「なんで俺に求めるんですか。」
「トラブルメーカーじゃから。」
「違いますよ!?」
権砕は、ほっほっほっ、と笑いながら家を出て行った。
「本当に何を望んでるんだ、あの人...。」
トラブルメーカーとは、酷い言いようであった。
溜息が自然とこぼれでた。
溜息の絶えない毎日である。
廊下を歩いていると菜夢が前からやってきた。
「あ、佳夢兄さん。おかえりなさい。」
「ただいま。」
「彼女は出来た?」
「お前までその話題か?全く、どんだけ人のプライベートに介入したいんだ。」
「私は佳夢兄さんのプライベートなんて興味ないわ。
ただ、佳夢兄さんをいじり倒したいだけ...。」
「悪趣味だな。えいっ。」
佳夢はそう言って菜夢の頬を親指と人差し指でつかんでつねる。
「痛い。」
「だろうな。」
そう言われて、佳夢は手を放す。
「ドメスティックバイオレンスじゃない?佳夢兄さん。」
「兄妹間のスキンシップだ。」
「まあ、とにかく佳夢兄さんは後一日で彼女を作らないと、
死んでしまう訳だけれど...。」
「そんな設定はない!」
「私としては、それが望ましいわね。」
本当にひどい妹だ、と佳夢は呆れる。
「だいたい、好きな人はいるの?学校でね。」
「いや、いないな...。まあ、適当に作って、適当に紹介して、
適当に別れればいんじゃないか?」
「最低ね。私がシザーハンズだったら佳夢兄さんを切り刻んでるわ。」
「それだけはやめろ。」
「ま、でもそれでもいいかもね。それで本当の愛が芽生えるかもしれないし。」
「そんな乙女ゲーみたいな事は起こらない。」
「彼女が出来たら家に連れてきなさいよ。
私が良い人がどうか、鑑定してあげるわ。」
「お前だけには会わせたくないね。」
「殺すわよ。」
菜夢は本気の目つきで言った。
少しひるむも、対抗する。
「お前には殺されねーぜ。絶対にな。」
「あ、そう。そんなことはどうでもいいから早く寝なさい。
無駄話ばっかりじゃ話が進まないわ。読者の人も
そんなことは望んでいないわよ。」
「本編で読者とか使うな。」
「皆さんは佳夢兄さんが告白するという醜態を望んでいるの。」
「それは単なるお前の願望だろう!」
佳夢はつくづく思う事があった。
この妹、ホントは兄の事嫌いなのでは。
九時。
相変わらず、早寝早起きを習慣としていて、
今日も寝床へ着く。
その時、考えたのは、今日出会ったばかりの少女であった。
佳夢はすでに決めていた。
「もうあの人でいいか。なかなか美人さんだし。
彼女だったら誰でもいいんだろ?」
疑問形で独り言を終えるも、返事はない。
「なんか、気持ち悪いな。俺。」
それに答える人も、いなかった。