複雑・ファジー小説
- Re: 天地海戦 『自由参加型』 ( No.20 )
- 日時: 2012/07/31 10:31
- 名前: 篠崎葉月 (ID: 0T0BadNT)
「足手まといになるなら要らん。後はお前達次第だ」
煉獄の魔術師、鳳焔朱鷺は表情をわずかにも崩さずに、そう言い放った。アーベルトが腕の神経を伝い、脳に直接語りかけてくる。
[[デバイスは双剣だね。やっぱり持ち主と性格は似るものなの?それにかなりの強気ね。よほど自信があるようだけど。]]
「「実力は絶対的だろう。いろいろ話は聞くし。それにこれくらいの自信がなけりゃ、この歳でSランクは難しい。」」
[[随分彼を評価するね。で、結局どうするの?閉鎖区域なら何回か行ってるじゃん。]]
「「だいぶ昔の話だけどな。でも今あそこは・・・。」」
脳内で素早く会話を終えて、涼一は考える。現在の閉鎖区域には、若干の問題があるのだ。それを偽っても仕方ないので正直に話す。
「閉鎖区域なら何度か任務で行ってる。ただ、最後に行ったのは5年くらい前かな。2年くらい前にそこは地盤沈下で大幅に地形が変わってる。俺の情報も、あまりあてになるかどうか・・・。おっと、嘘ではないからな。」
いまいち心の読めない朱鷺に対して、両手を挙げて言った。偽る必要がないのも事実である。
「あと、足手まといになるつもりはないよ。もともとこっちからの頼みだし。生命力には、そこそこ自信はある。そうだ、それと・・・。」
そう言って視線をあげるとドアから出ていこうとする女性、依田月黄泉が目に入る。話を中断して、涼一はとっさに声をかけた。朱鷺は少し驚いたような表情になる。
「あー、ち、ちょっと依田さん!」
彼女は涼一より年上の海戦魔導師だ。最近のあの区域に行っていても、不思議ではない。なにか教えてもらえば、と思ったのだ。あそこの魔物や思念体は、異様に強い。情報があって損することはない。
月黄泉がこちらに反応するのを確認せず、再び朱鷺に顔を向け、
「それと、任務の前に聞きたいことがある。最近各地で大量に発生してるウィプス、もとい魔力思念体についてだ。噂くらいは聞いてるかな?さっきもウィプスを狩ってきたが、量が異常だった。『ただの偶然』で済むなら一番だが。どうもキナ臭く感じてな。」
先ほどの笑顔を顔から消し、いたって真面目な表情で涼一は言った。
その時、
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?」
と言う全力の叫びが、遠くから聞こえた。何だか、真面目な雰囲気を持って行かれた気分になった。
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>>焔錠さん
自分としてはペアで行くことを望みます。
あと、襲撃、イベントですがタイミングはどのくらいがよいでしょうか?
任務の前か後か、すぐ起こすかとか。
>>美璃夜さん
勝手ながら絡ませていただきました。すみません。
自分一人で勝手に張ったウィプスについての伏線、使っていただいて嬉しいです。ありがとうございます。