複雑・ファジー小説
- Re: 神喰い ( No.8 )
- 日時: 2012/08/07 00:37
- 名前: saku (ID: KqRHiSU0)
- 参照: http://saku31728
第二話(パート2)
「ふぁぁあ…眠…zzzZ」
少年、黒風 春は教室で仮眠をとっていた。
教室ではガヤガヤと喋り声が騒がしく響いていた。
そんな中、ガラガラと音がして教室のドアが開いた。
ドアを開けて入って来たのは一人の少女である。
「おっ!起きろー春ー!愛しの彼女が来たぞー!」
「なっ!?てめぇいきなりなに言ってんだコラ!声がでけぇんだよ!」
ドゴォ!
「ぐはっ!?…み、みぞ入った…」
そんな光景を見ながら少女は微笑み黒風の席に近づいていった。
(うぉっ!?こっちくる?!ちょっまっ!?俺大丈夫か!?寝癖とかついてねぇよな?)
「おはよ、黒風くん、今日はなんだか眠そうね?」
「あっ、いや、ちょっと寝不足でさ…」うぉぉ!やべぇ大丈夫か?俺大丈夫か!?
「そっか…先生に怒られないようにね?」
「お、おう、ありがとな」
「ううん、どういたしまして、またね」
「お、おう」
少女はそう言って立ち去り、自分の席へ向かった。
少女の名は赤井 柚奈(あかい ゆな)
年は12歳
好きな色は赤
黒風のクラスメイトであり…見てわかると思うが黒風が恋心を抱く少女である。
「おい!よかったじゃん春!声かけてもらえたじゃん!」
「お、おう!なんか今日は運がいい!」昨日は最悪だっからな!神様ありがと!
「よかったなー!…てもまぁ恋人としては無理だろーけどなー、なんてったってテスト学校一位だもんなー…」
「うるっせぇな!わかってんだよ!」
鳴道の言うテスト学校一位、それは黒風の学校独特のテスト、学校全体一斉テストでの順位である。
このテストは文字どうり学校全体でテストをするのである。
そしてこのテストでトップ百位に入った人間は各科目と総合点で発表される。
つまりこの赤井と言う少女はこの学校でトップの頭脳をもつ少女なのである。
さらに彼女の凄まじい点はテスト9科目中、100点満点で、2科目が95点、もう2科目が98点、他の5科目はなんと100点である。
「たくよー…成績優秀、才色兼備、おまけに性格美人、しょーじきに言うわ…春、お前には釣り合わん。」
「何回もゆーなよな!…んなことよ…わかってんだよ…」
彼が恋心を抱く少女、しかし彼はこう考えていた。
自分は恋はすべきではない…と。
なぜなら自分は人ではない、獣でもない。
自分は自然から遠く離れた、異能にして異常な存在なのだから。
想いは伝えず…己の恋い焦がれる少女をただ護る。
彼が選んだ道とはそんな道なのである。
辛く悲しい、だからこそ彼が選んだ、己の道なのである。