複雑・ファジー小説
- Re: 神喰い ( No.9 )
- 日時: 2012/08/10 19:32
- 名前: saku (ID: gZQUfduA)
第二話(パート3)
赤井との会話が終わり、少年、黒風は再び仮眠をとっていた。
教室にはまだ先生は来ておらず、相変わらず騒がしい。
と、その時。
ガラガラ…と音がして教室のドアが開いた。
「あ、先生来たぞ春、起きた方がいんじゃね?」
「…ん?あー…いーよ、ホームルームの時間は寝てる…」
鳴道の警告を無視して黒風はそのまま寝続ける。
「んーと、全員いるかー?いるねー、よし、出欠終わりー」
「「「「はやっ!?」」」」
当たり前の反応でクラスの生徒がツッコミを入れた。
「はいはーい五月蠅いよー今日はやることいっぱいあんだからさっさと終わらせたいんだっつーのクソヤローども&お嬢様」
「男子と女子の扱いの差が酷すぎるぞオイ!」
「そーだそーだ!このロリコン!」
「セクハラ教師!」
「エロエリート!」
先生の発言に対してクラスから罵倒が飛び交う。
先生の名前は伊森 童(いもり どう)
黒風の通う学校、私立上乃中学校の教師にして生粋のロリコンである。(生徒による見解)
「あー!五月蠅いわ!今日はやることいっぱいあるっつったろーが!」
「やることってなんだよー」
「大事なことー?」
先生の叫びに対して生徒からの質問が飛ぶ。
「ちょー大事ー、なんせ転校生だからねー」
「転校生!?」
「こんな時期に!?」
ちなみに今は6月である。
「男?女?」
「バカ!嘘に決まってんだろ…」
「そーだよ、どうせ嘘だよー」
「なんだー嘘かよー…嘘つくなよセンセー…」
「嘘じゃねぇわ!あー、もーいーや、入って来てー」
生徒たちの発言に対し若干キレながら先生はホームルームを進行させていく。
ガラガラ…
ドアが開き、転校生が入ってくる。
「わ!かっこいー♪」
「男かー…チッ」
「イケメンじゃない!?かっこいー!」
転校生が入って来た瞬間、教室はざわめき立った。
しかし、仮眠をとっている黒風にとってこれは全く嬉しくなかった。
(うるせぇなぁー…ねみーんだよ!誰だ俺の睡眠時間を削んのは!)
とイラつきながら仮眠を続けていた。
「あー、じゃあ取り敢えず自己紹介。」
先生の投げやりな声の後でその人は言った。
「あっ!はいー♪僕の名前はー♪」
その瞬間。
(!?)
黒風は目を覚めさせられた。
何故ならその声に覚えがあったからである。
(この声…昨日の!?)
『んじゃ殺らせてもらうわぁ〜♪』
それはそう言った。
そして。
『それ』の声と今いる『人』の声は全く同じだった。
黒風はゆっくりと顔をあげる。
「転校生のー…安倍晴明ですー♪よろしくぅー♪」
黒風の見たその顔は見憶えがあった。
「て、てめぇは…!?」
しかも昨日黒風はこの男に…
「てめえは昨日の…!?」
殺されかけた。
「てめえは昨日の日本刀男ぉぉおぉお!!!?」
運などよくなかった。
むしろ最悪だ。
