複雑・ファジー小説

Re: 神喰い【オリキャラ募集中】 ( No.107 )
日時: 2012/08/29 23:41
名前: saku ◆vSik97dumw (ID: SkZASf/Y)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

第二話(パート19)

「てめぇ……何でお前がここにいるんだよ!」
勝手に家に上がり込んでいた晴明に黒風は問い詰める。
「お、落ち着けや……いろいろ話す事があってな」
「……チッ」
勝手に家に上がり込んでいた事には苛つくが、黒風もいろいろ聞きたい事があるため、取り敢えず話を聞くためその場に腰を下ろした。
「……だいたい何でお前が俺の家を知ってんだよ」
「フッ……僕にかかればこんなとこすぐ見つかるで!」
「威張ってんじゃねぇっ!」
怒りと共にそばにあった辞書を投げつける。
「ごふぁっ!?」
辞書はゴガン!という少し危ない音を鳴らし額にクリーンヒットした。
「チッ!……で?話したい事って何だ、つか、俺の質問にも答えろ」
「つつつ……痛いやんかー……心配せんでも答えたるわ、アンタには貸しもあるしなぁ」
「まぁ、ならいいけどよ、で?何を話す気だ?」
黒風が晴明に問いかける、すると、今までのふざけた雰囲気は消え、晴明の顔は真剣な物に変わった。
「……今日話したい事はな……三つあるんや、まず一つ目、今日来た連中の事や」
「あ!それは俺も聞こうと思ってた、何なんだあいつらは?」
「……あいつらはな、神喰いの能力を悪用しとる組織の奴らや」
「神喰いの能力を……悪用?」
「せや、組織名は【天照】天を照らすと書いて天照や」
晴明が言った天照、黒風はその単語に聞き覚えがあった。
「天照……何なんだそいつら」
「神喰いの集団や、リーダーの名前は不明、そんで目的も不明や」
「……要するに何もわかってねぇって事かよ、てか、神喰いってのはそうゆう集団があるのか?」
「あるで、僕もそうやしな」
「ふーん……で?二つ目は?」
「二つ目は、何で赤井 柚奈が攫われたのか、その理由や」
晴明が言った瞬間。
黒風は晴明の胸ぐらを掴んだ。
「てめぇ……!やっぱりわかってたんだな!赤井が攫われる事を!何で攫われる前に助けなかった!半端な答えじゃゆるさねぇぞ!答えろ晴明!」
怒りを露わに、黒風は晴明に詰め寄る。
晴明は怒る黒風に対し、すまなそうな目を向け、言った。
「……今日の事は……悪かったと思うとる……せやけど僕もわからへんかったんや、攫われるのはわかっとった、せやけど……誰が攫われるかはわからへんかったんや」
晴明の言葉は、後悔と謝罪の気持ちがこもっていた。
黒風はゆっくりと手を離し。
「……そうゆう事なら……早く言えよ……たく」
少しばつが悪そうに、そう呟いた。
「……赤井が攫われたのはな、多分、神力が強かったからや」
「しんりょく?」
「せや、神の力、神喰いの力の元になるもんや、神が持ち、神喰いが使う、ま、簡単に言えばこれがあればあるほど強い神喰いっちゅー事や」
「なるほど……赤井はたまたまそれがでかかったってわけか」
「せやな、多分君も狙っとったんやろうけど、勝てへんかったから退散したって事やろな」
確かに、神力の多さなら確実に黒風が一番多いはずである。
赤井はついでといった所だろう。
(……じゃあ赤井は俺のせいで……)
と、黒風が己を責めていると。
「せやけど、別に君のせいやあらへんで?」
晴明は笑いながらそう言って来た。
「……るせーよ、タコ」
黒風は少しホッとした様にそう呟いた。
「あぁ、で、三つ目やけどな」
「おう、何だ?」
黒風は晴明の方を向き、問う。
すると、晴明は。
「アンタ、これからうちのチームに入りや」
と、言って来た。
「……断る!」
「なっ!?何でや!?」
「ふざけんな、俺は平凡に生きたいんだよ、神喰いのチーム何かやってられっか」
そう言って黒風は部屋を出ようとしたが……
「……赤井のためやって言ってもか?」
ボソッと晴明が言うと。
「……何?」
ピタッと足を止めた。
「多分な……これからも天照は来るで?天照は人の神を喰らって力を奪う、天照と対抗できんのは神喰いだけや、んで、おそらく神力の強い赤井は天照に狙われやすいやろなぁ……」
「ぐっ……!」
痛い所を付かれ、黒風は唸る。
「そんな時助ける事が一番出来るのはアンタやと思うんやけどなぁ……」
「くっ……そ…………わかったよ!やりゃいんだろやりゃあ!」
黒風のその言葉を聞いた晴明はニヤリと笑い。
「よっしゃ!決定やな!ようこそ!僕らのチーム、【八咫烏】(やたがらす)へ!」
と、言った。
こうして、半分自暴自棄になりつつも、黒風は神喰いとしての道を歩みはじめた。
長い長い……争いの道を。