複雑・ファジー小説
- Re: 神喰い【オリキャラ募集中】 ( No.139 )
- 日時: 2012/09/05 23:04
- 名前: saku ◆vSik97dumw (ID: UIQja7kt)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
第三話(パート5)
ビルの上、武骨なスナイパーライフルを構え、少年はそこにいた。
少年の姿は黒髪、黒い瞳は事務的で、感情が見えなかった。
タンッ、タンッと、無機質な音を響かせ、感情の見えない顔で黙々と撃っていく。
「……逃がしたか」
銃口の先にいた人間が物陰に隠れ、狙撃が不可能になり、少年はそう呟いた。
すると。
「椎葉!あいつら逃げちゃったよ!どうするの?」
少年、椎葉の後ろから一人の少女がぴょこんと飛び出して、落ち着きのない声で慌ただしく言った。
少女の黒く長い前髪は、額を完全に隠していた。
「落ち着け、みつ、面白いじゃないか、俺の狙撃をよけるなんて……興味が出てきた、新しく知ることが出来たかもしれない」
しかし、少年、椎葉は落ち着いた声でそう答える。
「落ち着いてられないよ!早くしないと……!」
「わかってる」
みつの声を途中で遮り、椎葉ははじめて笑顔を見せ、言った。
「次は直接潰す」
狙撃を避け、黒風と翠香は本殿に逃げてきた。
「はぁ、はぁ……くそっ!何だよあれ!」
「まったくじゃ!奴は何者じゃ?」
苛ついた声で黒風と八無はそう呟いた。
「はぁ、多分、あれが噂の神喰いよ……」
翠香がそう呟いた時である。
「ご名答、その通りだよ」
「「「「!?」」」」
後ろから少年の声がして、黒風達は勢いよく振り返る。
そこには一人の少年と少女がいた。
少年の姿は黒髪に黒い瞳、上は白のワイシャツ、下はズボン、そして、腰にはやけに大きなケースをつけていた。
少女は黒い髪で額を隠している、そして、その顔は一瞬少年かと疑うような顔つきだった。
「なるほど……貴様が神喰いだな?」
と、閃が男に聞いた。
「その通り、俺は山野 椎葉(やまの しいは)所属は……」
椎葉はそこで一回言葉を切り、ズボンのポケットからメダルを取り出した。
「天照だ」
そのコインには白い太陽をモチーフにしたようなマークが掘ってあった。
「天照……じゃあ光栄の差し金か」
黒くがそう言うと。
「光栄?違うな、俺は……」
と、椎葉が何かを言おうとするが。
「どうでもいいわそんなこと」
その途中で翠香が言葉を遮る。
「ようは貴方が最近の事件の原因なんでしょ、だったら……閃!」
「心得た」
閃の姿が変わり、大きな盾に姿を変える。
「だったら、倒す、それだけよ」
そう言うと、翠香は薙刀を手に取り、構えた。
「お、おい……はあ、まあいいや、その方が手っ取り早いし、いくぞ、八無」
「おお、了解じゃ主様よ」
そう答え、八無も姿を変え、黒風が構える。
「おっと、二人とも神喰いに……だったら俺も、いくぞ、みつ」
「う、うん……気をつけてよ?」
椎葉の後ろにいた少女、みつはそう答えると、その姿を消し、変えた。
変えたその姿は、眼鏡だった。
黒いふちで、レンズは四角というシンプルな眼鏡だった。
その眼鏡をかけ、椎葉は言った。
「さてと、じゃあはじめるか」
そして、腰のケースから勢いよく何かを抜き出した。
出てきたそれは。
凶悪なフォルムを持つ、マシンガンだった。