複雑・ファジー小説
- Re: 神喰い【オリキャラ募集中】 ( No.155 )
- 日時: 2012/09/14 23:43
- 名前: saku ◆vSik97dumw (ID: SsOklNqw)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
第四話(パート2)
「で、あるからして、生徒の諸君にはー……」
体育館に校長の声が響く。
(あー、めんどくせぇー……)
眠そうな顔で黒風はそんな事を考えていた。
あの後、黒風、鳴道、赤井の三人は遅刻する事無く無事に教室につき、今は全校集会の真っ最中である。
「校長先生、ありがとうございました、続きまして、先日事故により入院しておられる大常先生の代理としてきてくださった先生のご紹介です」
司会の先生がそう言うと、ステージに一人の男が登った。
男の年齢は三十代といったところだろうか、薄い茶色の髪で、瞳も茶色、銀縁の眼鏡をかけ、腰にはウエストポーチ、そして、白衣を着ていた。
「皆さんこんにちは、雲井 拓海(くもい たくみ)と言います、専門は科学なので気軽に質問してください」
和やかな笑顔で男、雲井はそう言うと、ステージから降りた。
「続きまして……」
(あーだりぃ……寝るか)
まだまだ長く続きそうな話に眠気を誘われ、黒風はそのまままぶたを閉じた。
全校集会が終わり、黒風は教室に戻ってきていた。
教室は生徒達の喋る声でガヤガヤとしていた。
すると、教室のドアがガラガラと音を立てて開き、一人の教師が入ってきた。
入ってきたのは煙草臭い黒いジャケットにシャツ、そして黒いズボン、怠そうな顔にはやる気というものが欠片も見当たらないという最も教師らしく無い教師にして黒風達のクラスの担任、伊森 童(いもり どう)である。
「あー、皆いるかー?いるなー、よし、出欠しゅーりょー」
相変わらず教師らしく無い態度で、伊森はホームルームを気だるそうにはじめた。
有意義に過ごそうが無意味に過ごそうが時間は変わらず進んで行く。
「……寝すぎた」
そして、少年、黒風 春は大爆睡の結果、なんと昼休みまでずっと眠ってしまったようだ。
そんなわけで今は昼休み。
お昼を食べる生徒達で教室は溢れかえっていた。
すると。
「お〜っす春!弁当ーくおーぜ!」
後ろからやけにハイテンションに声をかけられた。
「あー?あー……断る!」
「ええっ!?まさかの!?くおーぜ春ー」
「やかましい、何でてめーと食わなきゃいけねーんだよ」
「今まで一緒に食ってたじゃん!」
「えー?……じゃあジュース買って」
「しゃあ!わかった買ってくる!」
そう言うと鳴道は廊下が焦げそうなスピードで走って行った。
と、丁度その時である。
ピーんポーンパーンポーン、という音がして。
『あ、あー、えーと、一年五組の黒風ー、飯食ってねーで職員室にこいやー』
スピーカーから放送が流れ、呼び出されてしまった。
「……マジかよ」
心底嫌そうな顔をする、しかし逆らうわけにもいかず、黒風は渋々教室を離れ、職員室へと向かって行った。