複雑・ファジー小説

Re: 神喰い ( No.23 )
日時: 2012/08/14 21:49
名前: saku ◆vSik97dumw (ID: 5VHpYoUr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

第二話(パート6)

人気のない道を少年、黒風 春は走っていた。
その顔には怒りが浮かんでいる。
(くっそ!めんどくせぇ……なんで俺があんなヤツの言うこと聞かなきゃなんねーんだよっ!くそがっ!)
黒風が向かっているのは学校の中でも人気がなく、通る人もほぼいない場所だった。
キキィィィィイイ!!!
「くっそ…また靴底すり減った……なんでこんなとこに呼び出しやがったんだ……めんどくせぇ…」
黒風が呼び出された場所。
そこは『体育館裏』だった。





「おっ!よーきたなー♪あの暗号分かったんか♪よかったわー♪わからへんとか言われたらどないしよーかなって思っとったわー♪」
転校生、安倍晴明は体育館の壁に背中を預け立っていた。
「うるせぇ、あんなんすぐにわかるっつーの」
先ほどの暗号、あれはローマ字変換を使った暗号である。
まず最初の文、【うさらぼちあのきおきなるんあくきあT】をローマ字に変換する。
すると、usarabotianokiokinarunnakukiatとなる。
これを逆にすると。
taikukannuranikoikonaitobarasuとなる。
これを日本語に変換すると。
たいくかんうらにこいこないとばらす→体育館裏に来い来ないとばらす
となる。
そう、あの暗号は体育館裏に黒風を呼び出すためのものだったのである。
「たく……で、なんだよ、こんなとこに呼び出したんだ、なんかあんだろ?」
「あるよー♪いやー、話が早くて助かるわ〜♪」
「あるなら早くしてくれ、あと俺の事を治すって約束、早くしてくれ」
イラつきながら黒風は言う。
しかし。
「約束?まだ契約は終わっとらんで?」
転校生、安倍晴明は何を言っているんだというように言う。
「はぁ!?昨日一晩中日本刀で斬りかかって来ただろうが!」
「あんなんで終わりなわけ無いやんか……まだやってもらうことはあるで?」
「なっ!?話がちが…」
「別に違くは無いやろ?僕は条件があるゆーただけや、別に一つだけとはゆーとらんで?」
「っ!!……くっそ…じゃあ残り、早く終わらせんぞ、早くしろよ」
「まぁまぁ、まちぃや、ここに来てもらったのはそんな理由ちゃうねんよ」
「……どうゆうことだ?」
黒風はここに呼び出されたのは十中八九、昨日の事のせいだと思っていた。
しかし、安倍はそんな理由では無いという。
「今日来てもらった理由はな?アンタの力についての話をしようと思ったんや」
「……俺の…力?」
そして安倍晴明は一息吸って、こう言った。


「せや、アンタの力、それが何故あるのか、そして、なんなのか、それを教えたろと思ってな」
と。