複雑・ファジー小説

Re: 神喰い【オリキャラ募集中】 ( No.27 )
日時: 2012/08/15 22:27
名前: saku ◆vSik97dumw (ID: 5VHpYoUr)

第二話(パート7)

「俺の……力?」
「せや、アンタの力、なんであんのかなんのためにあんのか、知りたいやろ?」
自分の持つ力、しかし黒風は一度も考えた事は無かった。
何故ならそれは彼にとって当たり前だったからである。
理由も訳も何も無い、そういうものだった。
「この力が何なのか……お前は知ってるのか?」
「知っとるで、アンタが知る以上にな」
そして、一つ深呼吸をして転校生、安倍晴明は語りだした。




「その力、それは【神喰い】と呼ばれる力や」
「……かみくい?」
「せや、神を喰う、だから神喰い、人の身に余る力、神の力や」
「ち、ちょっとまてよ!よくわかんねぇけど、俺は神なんか喰ったことねぇぞ」
「ちょぉまちぃや、説明するから…僕は確かにアンタの力を神喰いやゆうたけどな?でもな、アンタのそれは不完全なんや」
「不完全?」
「せや、なりかけ、片足突っ込んでる状態や、そういった存在を僕らは【喰いかけ】って呼んどる」
「くいかけ……いやでも、喰ったおぼえなんかねぇぞ?」
「当たり前や、お前はまだ喰っとらんねんから」
「はぁ!?」
「説明するからまてや、まずな、人間の心には神がおる、それが大前提や」
「神?心に?」
「せや、よく運が良いとか言うやろ?」
「え?あぁ言うな…」
「その、運が良い状態、それはな、神が力をかしとるんや」
「神が?俺らに?」
「せや、神は1人につき1柱それぞれの心におる、思いや願いによって姿形は変わるんやけど気まぐれで力を貸したりする、まぁ貸した所でそこまですごい事が起こるわけやあらへんけどな、せいぜい運が良くなったり、突然の閃きとかが起こるだけや」
「じゃあ話が違うじゃねぇかよ、俺の力はそんなレベルじゃねえ」
「せやからぁ、話しをきけっちゅーねん、確かにな、普通はその程度なんや、せやけど、例外もあるっちゅうことや」
「例外?」
「せや、神は気まぐれで力を貸す、ただな、その人間の思いや願い、それらが強過ぎるとき、神は力を奪われる、つまり、喰われるんや」
「なっ!?」
黒風は驚きを隠せなかった、彼にとっての神のイメージとは、人が触れる事など無いものだったからである、ましてや喰うなど考えたことも無い。
「それがアンタの今の状態、【喰いかけ】や」
「で、でも喰ったおぼえなんかねぇよ?」
「当たり前や、無意識なんやからな、無意識に力を求めてる、せやからそんな中途半端な力なんや」
「じ、じゃあどうしたらいんだよ?どうしたら治るんだ?」
「ま、それについては少し待てや」
「ま、待つってどうすんだよ?」
「もーちょいまてや、そろそろや」
「そろそろ…?」
と、そのとき。


ズガァァァァァアアン!!!!!!




突然爆発音が聴こえた。
「っ!?何だっ!?」
慌てる黒風。
「………はじまったな」
しかし、晴明は落ち着いている。
まるでこうなる事をわかっていたかのように。
「はじまった?なんのことだよ、お前…なんか知ってんのか!?」
詰め寄る黒風に、晴明は落ち着いて言った。






「知っとるよ、はじまったんや、【神喰い】達の戦いが」