複雑・ファジー小説

Re: 神喰い【オリキャラ募集中】 ( No.28 )
日時: 2012/08/15 23:20
名前: saku ◆vSik97dumw (ID: 5VHpYoUr)

第二話(パート8)

ガン!バガン!
その音は大きさを増していった。
そして。

ズガァァァァァアン!!!!!!


一際大きな音がして、それは黒風達の前に姿を現した。
「な、なんだあれ……!」
黒風の見つめる先には土煙が舞っている。
「よく見とけや、あれが、【神喰い】や」
それの姿は人だった。
身長は168程度。
銀髪の髪は短めの長さだった。
見た目の年齢は12〜3程度の少年だったが、その瞳は紅く輝き、決意を感じさせる。
そして、それは黒風達を見て言った。




「……お久しぶりです、晴明さん」






その声は重く、その声は強かった。
瞬間的にわかる。
彼もまた、人ではない何かだと。
「晴明……あいつは何なんだ……!?」
「……彼はな、僕の古い知り合いで……いや、これ以上はやめとこ、とにかくあれは、敵や」
「敵?……で、でもあいつも神喰い、とかいうやつなんだろ?だったら」
「詳しい話は後や……はぁ、しかしまいったなぁ、もー少し時間欲しかったなぁ…」
「おい……晴明、あれはなんだ?」
黒風の言ったあれとはもう一つあった存在の事である。
それは今来た少年の後ろにいた。
身長は190ほど、しかしその姿は人間に似てはいたが、人間ではなかった。
全身は黒く、異様に大きな手は地面につきかけていた。
顔は丸く、二本、大きな角の様な物が付き、目は漆黒の円、口は三日月の様に裂けていた。
そして、その手には。
「……赤井!?」
黒風のクラスメイト、赤井 柚奈が握られていた。
「おいっ!晴明!赤井が!」
黒風は慌てふためく、しかし。
「わかっとる、落ち着け」
晴明は落ち着いて答える。
「落ち着いてられっか!早く助けないと!」
「ダメや、いまのアンタじゃ勝てへん」
慌てる黒風に対し、冷酷なまでに冷たく晴明は答える。
「そんなんやってみなきゃわかんねぇ…」
しかし、黒風はなっとく出来ず詰め寄る…が。
「わかる」
晴明は断言する、確固たる意思を持って。
「なんでそんなこと…!」
「あれは神喰いだけが使える使い魔みたいなもんや、僕らは喰いかすって読んどるもんや、あれは勝てへん、絶対にな」
「じゃあどうすんだよ!俺しかやれねぇんだ!助けたいんだよ!」
「……方法はある」
「!!あんのか!?教えろ!」
黒風は詰め寄る。
そして、晴明は少し迷い、意を決した様に言った。







「せやけどな、これを使ったら……アンタは…二度と人には戻れんようになる」










「…………は?」
理解しきれず、黒風は聞き返してしまう。
「やり方としてはな、アンタを神喰いにする、それが方法や」
「俺を……神喰いに?」
「せや、せやけどな…神喰いは一度なったらもう戻れへん、生涯異能の力を背負って生きることになる…………それでもええか?」
この力、それは黒風が今まで恨み、憎み、何より捨てたい物だった。
いや、捨てられるはずだ、晴明は治せると言っていた。
故に、黒風の心は揺れる、捨てたい、しかし……護りたい。
揺れ、迷う、しかし。
「時間はない、はよ決めてくれや」
もはや、黒風には迷う余裕すら無かった。
そして、黒風の出した答えとは…………