複雑・ファジー小説

Re: 神喰い【オリキャラ募集中】 ( No.83 )
日時: 2012/08/26 00:33
名前: saku ◆vSik97dumw (ID: xJyEGrK2)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

第二話(パート16)

戦い、傷ついた晴明を見て、黒風は言った。
「……ズタボロじゃねーかよ」
「なっ!これでも頑張ったんやで!?」
「ま、いーや、バトンタッチだ」
「……はぁ……そーさせてもらうわ」
そう言って、晴明はその場で倒れた。
「……話は、終わりましたか」
そう言う光栄の声は、明らかに怒りが混じっている。
「おう、わりーな、待っててくれたのか」
「いえ、かまいませんよ」
そこで力を込め、光栄は言った。
「一瞬で終わりますから」
そう言って光栄は手を前に突き出した。
すると。
バンッ!
と、音がして黒風のいる場所の地面が陥没した。
土煙が舞う。
「……やはり一瞬で……」
勝利を確信し光栄は呟く。
しかし。
「おーおー、危ねぇなおい」
その声は光栄の後ろから聞こえた。
「なっ!?」
慌てて後ろを振り向く光栄。
そこには、黒風がいた。
「そんな力使うんなら、俺も使わなきゃな」
「……貴方如きが神喰いの力を使えるとでも?」
「使えなかったらここにいねぇだろ」
「…………」
光栄は黙る、しかし、その沈黙は肯定を意味していた。
「さてと、じゃあ呼ぶか」
黒風が神から学んだこと、それはただ一つ。
『儂の名は……』
神の名である。
「行くぜ……」
八無やなじゃ』
「八無!」
黒風が名を呼んだ。
その瞬間。
彼の影が蠢いた。
薄い平面から立体的な丸い球体になり、宙に浮いた。
そして。
その球体が弾け、中からそれは現れた。
黒く長い髪、大きく可愛らしい瞳。
そして、その身に纏うは十二単の着物。
「……ふむ、どうやら無事に呼べた様じゃな、主様よ」
それは先程の少女だった。
「……貴方が黒風くんの神ですか」
怒りを滲ませ、光栄は問いかける。
「む?何じゃ貴様は」
八無の質問に対し。
「八無、それが敵だ」
黒風ははっきりと答える。
「なるほどのう、あれを殺せばいいんじゃな?」
「殺すなよ……おい、光栄、やるんならさっさとやろうぜ」
不敵に笑みを浮かべ、黒風はそう言った。
「……そうですね」
「おう……じゃあ行くぞ……八無!」
「了解じゃ主様よ!」
八無が勢いよく答える。
その瞬間、八無の身体が影にかわる。
そして、影となった八無が黒風の身体に、手にまとわりつき、その姿を変えていく。
姿が完全に変化したとき、八無の姿は黒いコートと一振りの日本刀に変わっていた。
「それが……貴方の力の形ですか」
「ま、そうだな、力については……後で見せてやるよ」
そう言った黒風の顔は自信に満ちている。
「そうですか……でも、無駄ですよ、この勝負、結果は見えている」
「はあ?何でだよ」
「……貴方は確かに神喰いになっている、しかし、たった今なったばかりの貴方が、1000年の時を生き、修行を積んできた私に勝てるはずが……」
しかし、そこで光栄は言葉を切った、いや、切らざるをえなかった。
何故なら。
黒風がの刃が目の前に来たからである。
「なっ!?」
瞬間、光栄は後ろへ飛ぶ。
そして。
ズガァァァア!
と、音がして。
光栄がいた地面が裂けた。
「……で?誰が勝てないって?」
刀を肩に背負い、黒風は不敵にそう言った。
「……なるほど……どうやら強さは伊達じゃ無いみたいですね」
そして、光栄は手を前に出し、言った。
「それなら、私もそれなりの力で挑みましょう」
こうして、黒風と光栄の。
神喰い同士の戦いが始まった。