複雑・ファジー小説

Re: 幸せの魔法 ( No.13 )
日時: 2012/09/08 11:33
名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: xIyfMsXL)
参照: 編集中

三年の教室へ行く時に運悪く休みの終わりを告げる鐘が鳴った。



魔法実習の時間になった。
魔法を使う実習、真面目に授業を受けていた夏歌は大丈夫だと思っていた。が、しかし。
「ハァイ☆ 少年少女達よ元気かい?」
なんてハイテンション! と心の中で突っ込んでいた夏歌。呆れていると校長が今回の実習について話だした。

「今回は、精神の強さが試させられます! 魔法というのは精神が不安定なときに発動すると、不発に終わったり、暴走しちゃいますね」
(なんでそんなにも笑顔なの!)

「精神を常に安定させる<魔道具>はありますが、この場合人によって合う合わないがあります。なので、それを見るためでもあります」

(真面目になった……)

「1年生諸君! 怪我しちゃダメだぞ!」

(話が変わりすぎだろ!?)

「コホン、ペアについてだが、一、二年はいつもも通りに、三年は去年ペアだった奴と組んでくれ。つまり、トリオになるってわけだよ」

夏歌と去年ペアだったのは、ロン・リネンスと言う少年だった。明るく人気者の先輩だ。
夏歌は笑った。大好きな先輩と一緒なのだから。
「ノワールなんて、居なければいいのに」

「夏歌、怖いって!」
小さな声で隣にいた真奈が言った。どうやら無意識のうちに夏歌黒いオーラを出していたようだ。


「えー、コホン。今日の自習はいかにも幽霊とかが出そうな廃墟に行ってもらいます!」
「オワター」
夏歌は死んだ魚のような目になった。


校長の説明がやたら長く、やっと一、三年生と合流できる状態になった。とりあえずなにするかはわかった。
まず、やることは精神の強さを調べる。夏歌は「肝試しやんけ!」と嘆いている。
ルールは、死なないこと。これが一番大事だと校長は行った。当たり前だろ、と誰もが思ったに違いない。あとは、魔法の使用は可。空間移動などの実習会場から逃げるような魔法の使用はやってはいけない。もしもやった場合は連帯責任で拷問? を1時間受けるらしい。
ちなみに会場は校舎内にある魔方陣からいけるとの事。なんで校舎前に集合させたのだろうか。夏歌の頭の中に疑問が芽生えた。

「おーい、夏歌!」
と、遠くから聞き覚えのある声がした。
「夏歌先輩」
聞きたくないボーイソプラノヴォイスが聞こえた。
後ろを向くと、先輩のロンと後輩のノワールが居た。
「お久しぶりです! ロン先輩!」
夏歌は物凄く笑顔になった。会いたかった人に会えたのだ、笑顔に華が咲いている。夏歌でも分かる、声のトーンがいつもより高いという事に」
「ああ、久しぶりだな! ……でかくなったな」
と、乱暴に夏歌の頭を撫でる。嬉しいのだが、髪が乱れるのでもっと優しい撫でてほしい。
「ちょ、先輩、髪が乱れますってば〜」
「あはは」
なに笑ってんだ先輩。でも私の頭をなでる手は優しくなった。しかし、いつまでなでるつもりなんだ!? いい加減止めてくれないと恥ずかしいのだが……が、彼は一筋縄ではいかない。ならば、
「先輩、私の身長が伸びなくなるので止めてください」
「小さい方が可愛いから伸びなくていいぞ」
え……
くっ、ならば正直に、
「恥ずかしいから止めてください」
「恥ずかしがる夏歌もかわ……ゴホッ」

突然ロン先輩がお腹を抱え、うずくまった。
……え。ナニコレ。
ノワールの方をみると、ノワールは必死に笑いを堪えている。
犯人はお前か……

「全く、お前は……」
堂々とした女の人の声がした。