複雑・ファジー小説
- Re: 幸せの魔法 ( No.27 )
- 日時: 2012/08/20 16:34
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: xIyfMsXL)
真奈視点
——一日がたった。夏歌はまだ目を覚ましません。
実習は中止になった。悪魔達が現れたからだ。目撃された悪魔は6匹、いや、人の姿をしているのだから6人の方が正しいのかな。
「サタン、ルシファー、ベルゼブブ、ベルフェゴール、マモン、アスモデウス……」
優花、私の親友が目撃された悪魔の名を言う。私は悪魔とかについて全く知らないからピンと来ない。夏歌なら知っているだろう。興味あるって言っていたし。
「うー、サタンって魔王じゃない?」
春光が言う。知らないからなんとも言えない私を許してね……
「あー、そうやね! でも、後の5人は?」
「わかんないよー」
「……夏歌なら知っていそうよね」
「うん……」
「やけど……」
夏歌は今も眠っている。校長曰く疲れただけだとか……
部屋には暗い雰囲気が漂う。そんな中二人の来訪者が来た。
「よう!」
「邪魔するでー」
ロン先輩とカイ先輩がやって来た。ロン先輩は「サタン」とカイ先輩は「マモン」と遭遇したらしい(優花とカイ先輩はペアなので優花も遭遇している)。
「先輩達、どうかなさいました?」
「ああ、真奈ちゃんか、なっつーはどこに居るん?」
カイ先輩は何故か関西弁(モドキなのかも知れないが私には関西弁にしか聞こえない気がする)であり、かなりのフレンドリー。なっつーは夏歌の事である。……なんで夏歌に用があるのよ先輩。
「いっ今も、部屋で寝ていますっ!」
春光が焦りながら言う。……顔が赤い。
「へー、そうなん。残念やったなーロンくーん!」
「……一回タヒねよ」
「やー兄貴怖いでー」
「ああ、もうマジで死ねよ、ks」
「ロンちゃんが反抗期やねん。兄貴悲しいわ……」
この二人のペースには付いていけないのだが。うん。
「あ、そうや! ねぇねぇ兄貴ー今日現れた悪魔たちってなんなのー?」
優花の方が関西弁モドキなのかもしれないね。優花はカイ先輩の関西弁が伝染した。いい、ことなのか、悪いことなのか。
「ああ、あれ? 俺よりロンちゃんの方が詳しいでー」
「説明を俺に押し付けんなよ! まあいいが」
コホン、と咳払いをしロン先輩が説明しだした。
「簡単に説明しよう。今日現れた悪魔、サタン、ルシファー、ベルゼブブ、ベルフェゴール、マモン、アスモデウスの6人……でいいか。こいつ等に一人足すと、ある組織のようなものになる」
「こんなかに入るのが、レヴィアタンなんよー」
カイ先輩が遮った。案の定ロン先輩に叩かれた。
「ふぅ、レヴィアタンが入ると7人になる。ちなみにレヴィアタンは”嫉妬”を司る。……どういう意味か分かるか?」
レヴィアタン、嫉妬、嫉妬て確か大罪だとかどうとか夏歌から聞いていたけども……なんだっけ?
「あ!」
春光が声をあげた。
「大罪だ! 七つの大罪のうちのひ一つの!」
「お見事」
やったー! と子供のように春光は喜んだ。
「それで後の6人にも大罪がある……アイツらは”七つの大罪の悪魔”だ」
七つの大罪、夏歌が憤怒はサタン! だとか言っていたきがするな……
「なんで大罪の悪魔が現れたの?」
「わからへん。ただサタンだけは目的を明かしとる」
目的? サタンだけって……
でも、一体何が目的なの?
「目的ってゆーのはな……」
カイ先輩が言うよりも聞きなれた声が続きを言った。
「エンシェント家の嫡男、ノワール・エンシェントを殺害することよ……」