複雑・ファジー小説
- Re: 幸せの魔法 ( No.28 )
- 日時: 2012/08/22 18:29
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: xIyfMsXL)
- 参照: 不憫なカイちゃん先輩
「ノワール・エンシェントを殺害することよ」
「え!?」
聞きなれた声——夏歌の声がした。でもいつもより声が低い。
皆、夏歌の登場に驚いている。いきなり現れたんだもん、驚くよ。
*
いきなり登場してみると皆が驚いた顔をしていた。そして、春光の顔が怖かった。
「なんで、ノワールちゃんを殺そうとしたの!」
春光が言う。おい、ちょっとまて。今ノワール「ちゃん」と言ったのか? ……春光って、ノワールの取り巻きなんだな。
「春光って、ノワールの「いいから質問に答えなさい!」はい……」
春光が怖い。
「えーと、詳しくは知らないのだけども……サタンはエンシェント家になんか怨みを持っているらしく、そのエンシェント家の嫡男のノワールを殺したかった。のだと思う」
「また殺しに来るって言っていたな」
「えぇ!?」
今回は何とかなったけど次からはノワールの命の保障が出来ない。まぁ、「嫡男」だから守られるのだろう。あー、腹立つ。
「なっつー、何イライラしとんねん」
「あー、カイちゃん先輩。なんか腹が立ってきて」
「……エンシェントは結構酷いらしいでなー、差別が」
「!?」
なんでこの人、知っているんだ!?
「んー、それはなぁ、俺こーみえてもエンシェントの分家の子やからやでー?」
……
………
「まじか!? マジでか!」
「どうしたの! 夏歌!?」
「ありえん、カイちゃん先輩が分家なんて……」
だって、
品が感じられないじゃない!!
「うわー、兄貴今メッチャ傷ついたでー」
勝手に傷つけよ!
「勝手に傷ついていろよ。ks」
ロン先輩も同じこと思っていたのねー。安心、安心。
「……ロン」
「アァ?」
ロン先輩がヤンキーみたいで凄く怖いんですけどー!!
「……兄貴、ロンちゃんをそんなの子育てた覚えありませんッッ!!」
「お前に育てられた覚えねーよッッ!!」
ロン先輩の恐ろしき蹴りがカイちゃん先輩のお腹にヒットした。
あー、カイちゃん先輩マジ不憫。ほんと不憫。不憫。
「不憫、何回も言わんといてぇえ!」
「……不敏」
「字が違うだけやぁ!!」