複雑・ファジー小説
- #13 ( No.15 )
- 日時: 2012/08/16 22:20
- 名前: 星の欠片 ◆ysaxahauRk (ID: t7vTPcg3)
1?
コックリさんは相当有名な筈だが…。
「私は低級霊だから…」
そういえばコックリさんは低級霊だという話を聞いたことがある。
元から「低級」とか位付けされている都市伝説はレベルまで指定されてしまうのか。
なんだか理不尽だな。
「で、でも栗狐は情報探査の力は天下一品なんですよ!」
メリーがフォローする。
栗狐はふふんと鼻を鳴らす。満更でもないようだ。
別に自分のレベルについては気にしていないらしい。
「にしても、この都市伝説がレジェンズ化しているならどこにいるかな?」
調べた上ではトイレでの出来事らしいがレジェンズがその場にいるとは限らない。
「基本的には都市伝説の舞台の場所に居ることが多いですね」
成る程。
つまり学校のトイレに居る可能性が高い。
問題は「どこの学校にいるか」だ。
この黒見沢町に三つの学校がある。
黒見沢小学校、黒見沢中学校、そして黒見沢高校。
学校にいるという情報だけではこの三つのどこにレジェンズが居るかは分からない。
「う〜ん、問題はどの学校に居るか、だが…」
いや、そもそもメリーが探していたのがこの都市伝説とも限らない。
正体が分かってしまえばこっちのもの…とも言えないな。
居場所が分からないんだから。
思いのほか難しいものだ。
「都市伝説の舞台になるのは小学校が多いみたいだけど……」
「ん〜、とりあえず優輝さんの高校は明日調べてみれば良いでしょう」
「うん、そうだな」
まずは自分の学校からだ。
それで居ないなら、どうにかして小学校、中学校を見に行けばいいだろう。
とりあえず割り切る。
戦うなら人気の無い夜が良いんだろうが今から行くのはさすがに気が引ける。
都市伝説と戦う者が何を言うかとでも言われそうだが、夜の学校は駄目だろう。
「んじゃ、風呂入って寝るか。明日に備えて」
「そうですね」
「……」
この時、俺は気付いていなかった。
「ん〜、とりあえず優輝さんの高校は明日調べてみれば良いでしょう」
あの言葉の真意を。
一日の疲れを取る風呂。
今日は何だか色々な事がありすぎた。
風呂に入れば一日の疲れは吹き飛ぶ、はずだ。
「優輝さーん」
ガラッ
「え?」
風呂場のドアが唐突に開けられる。
タオルを体に巻いたメリーが入ってきた。
「な、え、は!?」
動揺中、現在進行形。
「お背中流しますー」
「いやいやいやいや! ちょっと待て! おかしいだろ!」
何がおかしいのか。
「え、何かおかしいことがありますか?」
メリーにも突っ込まれる。
「お、お背中お流しは良いから、恥ずかしいので出てってください!」
無意識に敬語になっている。
動揺してるので気付かない。
「む、それじゃ何で栗狐と入ってるんですか?」
「へ?」
足に何かふさふさな物が当たる。
よ、浴槽に何か入っている。
それはゆっくりと顔を出してきた。
初めに見えたのが狐の耳。
つまりは…
「……」
「あー、栗狐さん、一体、何を、してらっしゃるんでしょうか?」」
「…お風呂に入ってる……」
ごもっともで。
見れば分かります。
「は! もしかして優輝さん、ロリコ」
「違う! 断じて!!」
変なイメージはつけられたくない。
というより、栗狐は今まで潜ってたのか?
まだ分からない部分の多いレジェンズなんだし凄い肺活量がある可能性もあるんだが。
「優輝さん…」
「ん、ん?」
いや、それよりも今まで潜っていたということは、つまり、
「大き」
「ストォォォォォォォォップ!!!! それ以上言ってはいけない!!」
けっきょくメリーと、なぜかいたくりことはいることになりました。
このあとなにがあったかはごそうぞうにおまかせします。