複雑・ファジー小説

#16 ( No.22 )
日時: 2012/08/18 09:00
名前: 星の欠片 ◆ysaxahauRk (ID: t7vTPcg3)



「う〜ん、この学校には居ないのか?」
 日が沈み始めた頃、全てのトイレを調べ終わった。
 なら小学校、中学校だが…
「今日はここまでにするか…?」
「いえ、このまま行きましょう」
「え?」
 そろそろ夜になるし家に戻ったほうが良いと思うんだが。
「これ以上放置するとレジェンズが手に負えないくらいに強化されてしまうかもしれません」
 嘘、聞いてねえぞ。
「人の信仰心を集めすぎた悪レジェンズ程厄介なものはありません」
 確かにそうか。
「うーん、じゃぁ行くか」
 夜の学校か。
 気が乗らない。

「おい、聞いたか? 黒見沢小学校の話」
「あぁ、変な紙が巻きついてミイラみたいになってるんだってな。」
「面白そうだな、行ってみようかな?」
「止めとけ、何人か飲まれたって話だぞ」
「飲まれた? 紙に?」
「あぁ、ほとんど生徒は帰ってたけど一部の生徒や先生が紙に飲まれたらしい」
「どこ情報だよ」
「ツイスター*」   *短文を呟くことができる情報サービス。世界中の人が利用している。

 ちょうどそこに通りかかった生徒達がそんな話をしていた。
「……事は深刻みたいだな」
「はい、少々手遅れみたいです」
「話してる暇は無いな、行くぞ!」
「はい!」
 どうやら被害にあっているのは小学校らしい。
 走りつつツイスターを調べてみる。
「…これか」

[黒見沢小学校がミイラになってる。
 逃げようとした生徒や先生が飲まれている。
 画像…]

 画像を開いてみる。
 小学校の校舎が赤と青の紙でめちゃくちゃに巻かれていた。
「うわ…」
「しまった……思った以上に強化されてしまったようですね……」
 画像は校庭側から撮られており紙は段々と校庭も侵食してるようだった。
 これは放っておいたらもっと酷いことになるかもしれない。
「急ぐぞ!」
「はい!」
 これ以上被害者を出さないため、俺とメリーは小学校に急いだ。

 〜〜〜〜〜〜

「助けて……お願い……!」
 餌が何か喚いている。
 どうせ助かる術なんてないというのに。
 人間の信仰心を多く溜めるために捕獲し、俺様の近くに置いておく。
 一番手っ取り早い信仰心の溜め方だ。
 恐怖。俺様の一番好きな感情。
 それが俺様を強くする。
 強、く、

 強…

 ツヨ……ク……ガ…グ……

 何、ダ、コレ…!


「ア゛…ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァ!!!!」