複雑・ファジー小説
- #1 ( No.3 )
- 日時: 2012/08/12 20:43
- 名前: 星の欠片 ◆ysaxahauRk (ID: t7vTPcg3)
スズメが鳴いている。
時計の針は6時30分を指している。
「……夢」
いや、どんな夢だよ。
最初の方はまだ良い、何かに追われる夢なんて良くある話だ。
だけど、何だアレ?
「メリィィィィィ————・メアリィィィィィィィ————・ミラァァァァァ————!!!!」
清楚な西洋人形の様な容姿なのにあのテンションとしゃべり方はおかしいだろ。
あれか、今流行の「ギャップ萌え」とかいうやつか?
そうじゃねえだろ。
あんなに変な夢なのに妙に現実味があったような……
正夢か?
んなわけねえだろ。
アレが本当に起きるとか怖いってレベルじゃねえぞ。
起き上がって着替えを始める。
うん、アレは忘れよう。
学生の朝は早い。
そしてやることも色々とある。
俺みたいな「両親が物好きで各国を旅している」なんて家庭なら特に。
……普通はそんな家ないか。
まずは朝食作りだ。
弁当も作らないといけない。
程なくして朝食が完成した。
白米、味噌汁、焼き魚、目玉焼き。
うん、日本人のオーソドックスな朝食だ。
両親が旅に出ている間飯は自分で作らないといけないため、意識せずとも腕は上がっていった。
今では高校生の中でもかなり上手いほうだと思っている。
手早く朝食を済ませ、ついでに作ったものを弁当に詰める。
そういったことをしていれば、すぐに時間も過ぎる。
弁当を鞄に詰め、家を出る。
家から学校までの距離はそこそこあり時間も掛かる。
その登校時間も合わせれば起きてから寛ぐ時間なんてほとんど無い。
小走りで学校に向かう。
それでも毎回時間は結構危ない。
もっと早起き? 無理だ。
俺の体は6時30分より前は動かないのさ。
……ごめん、嘘です。
でもあの時間に起きないと調子が出ない。
というよりは長年その時間に起きているせいですっかり癖になっている。
さて、学校が見えてきた。
俺が通う学校「黒見沢高等学校」だ。