複雑・ファジー小説

#27 ( No.45 )
日時: 2012/08/25 22:22
名前: 星の欠片 ◆ysaxahauRk (ID: t7vTPcg3)



 学校の北側は住宅街になっている。
 今の時間帯は下校途中の学生や遊んでいる子供達も多い。
 都市伝説が関係してくるならあまり人気が無い方が良い。
 さて、マンションの直ぐ前に来たは良いが…
「ねぇ、こっちって何も無くない? 商店街は反対側だし…」
「うん、優輝君の家もこっちじゃないよ…」
 こいつらどうしようかな…
 学校からずっと付いて来ている女子達。
 隠れてるつもりだろうが、ぶっちゃけばればれだ。
 話し声聞こえてるし。
「優輝さん、あの人たち帰らせますか?」
「いや、もっと勘違いされそうだ。どうするかな…マンションの前まで来たけど……」
「あら? あんた達昨日の…」
「えっ?」
 マンションの二階、さっきの部屋から声が掛けられる。
 ベランダに立つ、相変わらず黒いスーツを着た九道さんだった。
「上がって来なさい」
 そうだけ言って部屋に戻っていった。
「…どうする?」
「行くしかないでしょう。あの人がレジェンズを見つけたなら対処もしないとなりませんし」
 とりあえず、警戒を怠らないようにマンションに入っていく。
「あ、マンションに入ってった!」
「さっきの女の人は!?」
「お姉さん?」
「いや、違うわね…あれはきっと二人目の…」
「な、なんだってー!」
 お前ら少し自重しろ。


 部屋のインターホンを鳴らすと、すぐにドアが開かれる。
「いらっしゃい」
 室内でも黒眼鏡を外さないらしい。
「警戒することはないわ。お茶くらい出すわよ」
 あたかも自分の家のように…
 いや、ここが九道さんの家じゃないという確証はないけども。
 自分の家ならあんなに警戒した入り方はしないだろう。ベランダから。
「ここは、九道さんの部屋なんですか?」
「違うわよ」
 駄目じゃねーか。
「家宅侵入罪じゃないですか!?  何やってるんですか!?」
 思わず突っ込むと、
「警察に攻撃して小学校に侵入した坊やが良く言うわね」
 と返された。
 見られてたのか、あれ。