複雑・ファジー小説
- #7 ( No.9 )
- 日時: 2012/08/12 20:48
- 名前: 星の欠片 ◆ysaxahauRk (ID: t7vTPcg3)
メリーによるとレジェンズというのは信仰、知名度によってレベルが違うらしい。
元が良く知られていたり有名だったりする都市伝説ほど具現化したとき強い都市伝説になる。
レジェンズのレベルは1〜5の五段階で、メリーはその知名度から最高の「レベル5」に入るらしい。
そしてレジェンズとなりえるものは都市伝説だけに他ならないとか。
人々の恐怖の対象になったり、噂になったりするものは全てレジェンズになる要素があるらしい。
「つまりそれ、キリが無くないか?」
「まぁ、そういうことになりますね」
ただでさえ数え切れないほどの都市伝説があるのにレジェンズはそれ以上の数がある可能性が高い。
それらから悪いレジェンズを選別し倒していくのは面倒極まりない。
ではどうするか。
「一番簡単なのは向こうから来るのを待つことだけど…」
「まぁ、優輝さんの元には何もしなくてもレジェンズは集まってくるでしょうしね」
「え?」
それは初耳だ。
ていうかそれ危なくないか?
色々と。
「力が強い人の元に居ればレジェンズも強くなりますから」
なるほど。
力というのは学力、身体能力といった類のものだろう。
別に都市伝説たちに集まって欲しくて勉強とかしてきたわけじゃないんだが。
「じゃぁとりあえずはいつもどおりでいいって事?」
「そういうことです」
いいのだろうか。
「それじゃ、優輝さんの家に向かいましょう!」
「は?」
何か聞こえた気がする。
「聞き間違いじゃなきゃ、今俺の家に向かうとか言わなかった?」
「言いましたけど? レジェンズに襲われる危険がある以上貴方を守らなきゃなりませんから」
「……」
どうしてこうなった。
両親が留守な以上、止める人もいないわけだが。
いや、落ち着け。
家の向かうといっただけだ。
居候すると言った訳ではない。
落ち着け落ち着け。まだ慌てるような時間じゃない。
「じゃ、じゃあ、行こうか…」
「はい!」
何故か揚々としているメリーとは裏腹に俺は動揺しまくっていた。