複雑・ファジー小説

Re: ブレイド*ブレット [刃と銀の銃弾] ( No.7 )
日時: 2012/08/20 10:30
名前: ガリュ (ID: t3n5DtaJ)

 1神の能力をもつ者たち 第一章『異能力をもつ者』【1】

 雲に太陽が隠れる頃、神華島と呼ばれる東京都程の大きさの島の町中では戦闘が繰り広げられていた。町中を頭と尾がクロヒョウ、胴体は黒い熊の体、手足は茶色い馬のものがかけまわっていた。そう、合成獣だ。

それを追いかける黒く髪の長い高校生くらいの少女。少女の腰には刀。しかし少女はその刀をつかう気がないようだ。少女は合成獣に追いつくと脇腹に蹴りをいれた。メキッという骨の音がする。そしてそのまま人気のない道に墜落。

 合成獣はひくくうなりながらよろよろと起上がる。黒い髪の少女は近くの電柱に着地する。この黒い髪の少女は暁琴華。『華武士戦闘狩会社』につとめ、62班の班長である。

合成獣は琴華を睨むと口から白い光線を放つ。琴華は光線をよけるとともに電柱から飛び降りる。そして飛び降りた勢いとともに合成獣に回し蹴りをくらわせる。
 合成獣は悲鳴を上げながら骨の折れるような音が鳴りコンクリートの塀に叩きつけられる。もう少しというところで穴があくところであった。

 辺りにはコンクリートの残骸。琴華は腰に手をして大きく息をはく。

「あっちゃあ、ちょっとやりすぎたかも…。…ま、でもここの道狭いしね。まぁ後は処理班の奴らに任せて…。」

 琴華があきれた表情で右の方を見ると土埃を巻き起こしながらこちらに向かって走る少年、柴崎焔。その後ろからは手足がキリンでその他白い猫という合成獣が焔を追いかけていた。

 「ちょっと、何してるの焔君!さっさと倒しなさい!!」
「は、班長、そんなこといったって…!!くそっ!!」

焔は急ブレーキをかけると後ろを向いてとび蹴りを猫の合成獣にぶちかます。合成獣は少し後ずさってすぐに体勢を整えてまた焔を襲う。

 焔は焦りながらも構える。が、突如合成獣の胸から腹にかけて飛んできた何かが当たって爆発する。合成獣はズザザザザと地面を擦りながら倒れる。起き上がらないのを見るとどうやら倒せたらしい。

 しかし合成獣に当たったのは何かと後ろを振り向くと。クナイを持った琴華が立っていた。

「有難う、助かったよ。でもなんでクナイが爆発…?」
琴華は得意気そうに顎を上げる。
「ふふん。実はこれクナイの形をした爆弾なのよん。」
「爆弾!?いつのまにそんなものを…。」

上機嫌な琴華に焔がとんでもないことを問いかけた。

「ねえ、班長って…オタク?」
焔が言い放った瞬間、「ブチッ」と何かが切れる音がした。

「ほ…焔君…。今なんて…言ったの…?」
「え…だから、班長ってオt」

焔が言いかけた瞬間、ズガンッという音とともに道路のアスファルトが砕け散り、破片が当たりに飛ぶ。

「ほ〜む〜らぁ!!班長に対してなんだその態度は!!なんで私がオタクにならないといけないの!?」
「え…だって班長武器いじりが好きだからそんな武器をつくったんだろ?」
「なっ!?私は効率よく倒す為につくってんの!!」

琴華はむすっとほっぺをふくらまして口をとがらせた。