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複雑・ファジー小説
- Re: アセンション ( No.43 )
- 日時: 2012/11/11 10:43
- 名前: デミグラス (ID: RadbGpGW)
参照400超え&第1章終盤突入記念小話
ソビエト社会主義連邦共和国、この国のとある軍事施設の一室。
数百台に及ぶコンピュータや、徹底的な武装が施されたこの部屋以外の施設内とは打って変わり、辺りにはこれと言ったテクノロジーの産物は見られず、目に付くのはせいぜい、1つずつ配置されたデスクと椅子、その椅子に腰を掛けている人間くらいだ。
その者が、真正面にある扉を介して連続で3回ノック音が鳴ったのを聞き「入れ」と返答すると、1人の男がゆっくりと入室してくる。
「で、どうだった?」
「我々の思惑通り、かなり混乱しています。すぐにでも査察が入るかと。向こうはそれなりに上手くやっているようですが、彼等を止めるのは、あの男ではまず不可能でしょう」
手下なのであろう男から、望み通りの報告を聞くと、背もたれに体を預けさらに深く腰掛けて口角を釣り上げた。
「準備は終わったのか?」
「さきほど、最終調整に入ったので、近々決行可能に」
「口を割られたら困る。準備が整い次第、奴らは全員殺せ」
報告を終えた男は深々と頭を下げ、再び扉を開けて退室していった。
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