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複雑・ファジー小説
- Re: 【第1章】アセンション【終盤突入】 ( No.44 )
- 日時: 2012/11/12 18:11
- 名前: デミグラス (ID: RadbGpGW)
「ここに座らせろ」
そう指示したカストロの人指し指はデイビットとダニエル、そして自身の間を指している。
そこに敵兵がライアンを連れている最中に、カストロは再び、顎で目前の2人を指して指示を出す。
彼等の背後にいた兵士が、それぞれの捕虜の頭部に銃口を突き付け、顔を上げろと呟いた。
しかし、敵兵の予想には反し、2人は素直に顔を真正面の今、まさに座らされているライアンに向ける。
正面からでは分からなかったが、ライアンの後頭部に回された両手首には、しっかりと縄が結ばれていた。
「貴様のお仲間はどうした?まさか見捨てたわけではないだろう?」
尚、嫌味を吐き続けるカストロを、ライアンはただ睨み付けるだけで、魔法で石化されたかのように口をピクリとも動かさない。
「まぁ、いい。向こうで先に謝っておきたいだろう。お前から先に殺してやるから安心しろ」
いくら悪態を付いてもまったく、反応を示さない3人にカストロはようやく不信感を抱き、眉を細めるが、侵入者を始末出来るチャンスを逃す隙は、絶対につくりたくなかった。
「殺れ」
端的に促すと、生存中の最後の侵入者を連行してきた兵士が動き、ライアンの額に銃を向ける。
次の瞬間、1人の人生が終焉を迎えた。
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