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複雑・ファジー小説
- Re: 【第1章】アセンション【終盤突入】 ( No.48 )
- 日時: 2012/12/20 13:07
- 名前: デミグラス (ID: XyK12djH)
標的の懐に潜り込んだ敵兵は、自身の左手でライアンの左肩を掴み、強く引く。
その反動で180度回転し、完全に背を向けたライアンの首を、左腕で絞め、右手に持ったハンドガンを蟀谷につきつけると、今度は自身も180度回転し、カールを正面に捉えた。
カールは、回避行動をとってすぐに腰からM1911を引き抜いていたため、それを構えるが、撃てる隙がないため、ただ狙い続けることしか出来ない。
「銃を降ろせ!こいつを犬死にさせたくなかったらな」
ここにきて初めて口からついて出たお決まりの台詞は、流暢な英語だった。
もちろん、それは驚くほどのことではない。
ここ、キューバは「アメリカの裏庭」と呼ばれるくらいなのだから、少しくらい話せる英語を話せる者がいても、何ら不思議ではないのだ。
この状況でも顔色一つ変えないライアンは、密かに腰から手榴弾を取り出した。
それを微妙に動かし、ピンを抜いていないことをカールに確認させると、自分の顔元にもっていく。
視界の端に入った手榴弾を見て、条件反射で無意識の内に身を引こうとした彼は、まんまとライアンのフェイクにはまった。
ライアンは、自身を拘束していた腕の力が、微かに弱まったことを感じると、すぐに身を翻して形勢逆転を図る。
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