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複雑・ファジー小説
- Re: 【第1章】アセンション【終盤突入】 ( No.49 )
- 日時: 2013/01/05 12:14
- 名前: デミグラス (ID: jgZDwVO7)
背後を振り向く際、ピンを抜かず終いの手榴弾をカールに投げ渡し、敵兵と正面きって向き合う。
すかさず、ライアンは相手の両手首を掴み、無力化を図るが、左手はいなされ、逆に自身の左手首を捕まれてしまった。
数秒、純粋な力と力のぶつかり合いが続いたが、間もなく駆け引きへと発展する。
敵兵は、痺れを切らした風を装い、左手を解放すると、腰からナイフを取りだし、ライアンの腹部めがけて勢いよく突く。
しかし、直後に同じく拘束を解放したライアンの右手が、ナイフを持つ手を抑え、すんでのところで攻撃を遮る。
その行動を望んでいたかのように、敵兵はライアンの目を一点に見つめ、微笑を漏すと、左手を腰のホルスターに伸ばす。
瞬間、顔から笑みが消え、みるみるうちに青冷めていくのが分かった。
消え失せた笑みは、ライアンに引き継がれ、彼は左手でハンドガンをぶらぶら揺らしている。
それは、今まさに敵兵が抜き取ろうとしたマカロフで、最初に解放されたライアンの左手が、敵兵がナイフを取り出すと同時に盗み取ったものだった。
じわじわと汗ばむ敵兵の額に目だし帽の上から銃口を当てるが、引き金は引かず、数秒間押しつけ、恐怖で敵兵の感覚を鈍らせる。
そして、空中でハンドガンを1回転させ、グリップから銃身に持ち変えると、銃底で頭部を強く殴った。
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