複雑・ファジー小説
- Re: あなたの事件、解決しますよ? ( No.38 )
- 日時: 2012/10/30 19:55
- 名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: ikU4u6US)
うん...とりあえず近所の聞き込みは終わった
「...本当なのかな」
となりで水月がぼそっとつぶやく
私だってそう思いたいさ
まさかね、芦谷家がこんなに有名だとは...
「この親にして子供ありってことか」
なんでも芦谷家は近所で有名な’悪’だそうだ
父親は悪徳会社の社長なおかつ金の猛者
なんでも、その会社、問題だらけらしい...(おいおい)
母親は近所でも有名なドケチ
なおかつ化粧けばけばの
そして子供が学校一の不良
なんちゅー家庭だ...
「弥生、この続きは明日学校に行ってからにしよ」
「そうだな...」
こうして、私たちは家に帰る事にした
...まさか明日とんでもない事が起きるとも知らずに
—次の日—
「おっはよ〜」
「あ、水月おはよ。昨日の事件の事なんだけど...」
あのあと私は色々考えた
もしかしたら、事件は思ってるよりも複雑かもしれない
だから水月に少し意見をもらいたい
意外にするどいところもあるから、もしかしたら何かわかるかもしれない
「一つはあの親子が会話にしていた、個人情報のこと。前にうちの学校で起きた個人情報の事...覚えてるか?」
「え、あの弥生が事件部をつくるきっかけとなったあの事件?」
「ああ、もしかしたら今回の事件、それに関係してるかもしれない」
..、といっても裏部活は学校に知られていない
私たちが学校側に、個人情報の事を聞いたら怪しまれる
「...それとあの子の事は?」
「え?」
「瑞穂ちゃんの事。どうして幼なじみって嘘をついたのか、どうして大嫌いな芦谷のために私たちに頼んだのか...いったいどんな理由がひそんでるんだろうね?」
「...」
確かにこの問題も残ってる
けど...
「これは本人に聞けばいいんじゃないか?現に今、一年の校舎へ向かってる」
「はれ?」
水月は辺りを見回すがもう遅い
私たちは一年の校舎へと向かってる
「ねぇ...昨日の夜に泥棒が入ったらしいよ」
「えぇっ!?もしかして個人情報...」
「ううん、今回は何も盗まれてないらしいの。ただ、警備員さんがみたときに確かに人影が見えたらしいよ」
「へぇ〜怖いね...」
「でしょ?なんでも、近くにテストの解答がちらばってたみたい」
「それってテストの!?」
「うん、でも犯人は何も盗んでないみたい」
「そう...けどこの学校も危ないね、警備員はいても防犯カメラもないしセキュリティーも何も着いてないし」
「だよねぇ〜」
川村に会うために、私たちは一年の校舎へ向かった
そのときに、こんな会話が聞こえた
...テスト?
「一年生の方が、二年生よりもしっかりしてるみたいだな」
「そうだね...」
水月はなぜか、深刻な顔をしている
ん?
ちょっと待て
!!!
もしかして...
「水月」
なにか考え込んでいる水月に声をかける
「なに、弥生?」
「謎は解けた」
「えっ!?」
「今すぐ川村に会いにいこう」
待って、という水月を残して私は後輩の川村のもとへと向かった