複雑・ファジー小説
- Re: あなたの事件、解決しますよ? ( No.60 )
- 日時: 2012/12/10 18:24
- 名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: dfpk6DJ/)
「ほら、これ見てよ」
そう言ってみせてくれたのは...うん、確かに☆だ
「だから、お嬢様とカリンが間違って誘拐されるということはあり得ないのです」
はっきりと言うリンさん
「これのせいで、長年狙われてました。多分今回の誘拐もそれが原因だと思ってましたが、犯人なら確認するでしょう。それなのにカリンが誘拐された、ということはこれは最初からカリンを狙った犯行なのです」
ー数時間前ー
「カリン...?そんな人いたっけ?」
学校で星野から聞いた話に首を傾げる私たち
「リンさんとレンさんの妹で甍カリン...」
「「それはもう聞いた!」」
私が聞いてるのは、どうしてその事を黙ってたかという事だ!
「んーー、リンさんとレンさんに、カリンの事は言うなって言われてたから..」
なんで?どうして妹がいる事を話しちゃだめなんだ?
今回の誘拐、もしかしたらその子だったのかもしれないじゃないか!
「二人が言うには、誘拐の危険性は私の方が高いからって...」
ま、まぁそうだけど...
「じゃあそのカリンは星野に間違えられたのかもしれないじゃないか。それなのに良心は痛まないのか?」
私が聞くと、星野はしばらく黙っていたが、すぐに口を開いた
「それは絶対にない、ってのは訳があるんだ.今日家に来てくれる?」
というわけで、私たちは今星野家にいるわけである
リンさんとレンさんは元気がない
カリンは、妹が誘拐されたからだろうと解釈してるみたいだがそれはおかしい
おかしいと思った訳は二つ
ひとつは、警察を呼ばないという事
金持ちってのは常識が人と違うというが、この二人はただの使用人(というかボディーガード)
いくらなんでも、妹を誘拐犯に差し出すなんて事はしないし、警察をすぐに呼ぶだろう
「警察は呼ばないのですか?」
水月も似たような事を思ったようだ
けど二人が言った言葉は
「警察は嫌いなんです」
...笑顔だけによけい怖い
「それに、もう瀬戸さんに○○万円支払ったのです。今回あなたたちを呼んだのは事件を解決してもらうためです」
...は?ちょっと待て
支払った?水月に?
どういうことだ、と言おうとして水月に顔を向けると、せせら笑いながらこう言った
「ごめんごめん、弥生はこの事件解決したくなさそうだったから、変わりに私が解決しますーって、それで銀行の口座も教えといたの」
は、は、は
そういうことか
私の全身から殺気が上ったのを見て、星野が慌てて言った
「ちょっと、やめてよね!この前あなたたちが戦争したせで家の長刀とナイフが壊れたんだから!」
...それを壊したのは私でなくて水月だ
とにかく、この城(←w)に来たからには
もう解決するしかないのか
「そうだ、そのカリンが誘拐されたのは星野と間違えられたのか?」
星野の話では、カリンは高校生
間違えられても仕方はない
「ううん、私とカリンが間違って誘拐されるってことは絶対にないよ」
なんで?
「...リンさんとレンさん、どうしてなのか話してくれる?」
ここから聞いた話
どこからが嘘でどこからが本当なのかはわからない
ただ...私たちの想像を超えた話だった
「代々続く、この星野家なんだけど、ごくまれに首筋と足の裏の両方に★型の痣がある人がいるの。たいていは首筋だけか足の裏だけ、なんだけど...今までに二つ痣が会った人は3人だけで私はその3人目なの」
そう行って首筋と足の裏を見せてくれた
「ほら、これ見てよ」
そう言ってみせてくれたのは...うん、確かに★だ
「わかりましたか?」
そう言うレンさん
...いや、わからない
「その痣がそんなに珍しいのか?そりゃあ★型の痣は珍しいが足の裏と首筋にあるのはただの偶然じゃ...」
「リンさん、あれを持ってきてください」
あれ?
あれって何だ?
そう行って待つ事5分
手にしてるのは古い紙
「ほら、ここに書いてある..って読めませんね。私が訳します」
『首筋と足の裏に星持つものは星野家の救いの神となる』
...つまりこの救いの神ってのが星野って訳か
「でもなんで誘拐されるの?これは星野家の問題であって、他の人たちには関係ないんじゃないの?」
「いや、それが関係あるの」
星野の話では、星野家はどちらかというと権力があるほう(どちらかと...じゃなくてありすぎだと思う)
やはりそれを妬んで星野家をつぶそうとしてる人が多いらしい...
「って周りは救いの神の事を知ってるのか!?」
「えーと、私が小さいときに祖母が『救いの神が現れたー』って言って色んな人に言いふらしたの。もちろんさっきの紙も見せて。それで...」
はいはい、もう言わなくてもよろしい
つまりその言葉がきっかけで救いの神、星野の誘拐率が高くなりボエィーガードまで雇うしまつ、そして...
「カリンが誘拐されたのとは無関係だ、ということで私たちは色々調べる」
そう言って、まだ何か言いたそうな弥生の手を引っ張って城の外へと出た