複雑・ファジー小説

Re: 終焉へ向かう幻獣たち—— ( No.13 )
日時: 2013/01/26 12:13
名前: ガリュ (ID: 7VvLld12)



第1話 『出会いは始まりを告げる』【6】

 倒壊したビル群は瓦礫と化していた。

「燐…どっかで聞いた名前だな…、ケルベロス、会ったことないか?」
「…さあ——」

ケルベロスは一言そう答える。

「それよりも…あいつらも消えているぞ。」

そう言ってケルベロスは辺りを見回した。焔はただ「はぁ」と溜息をついた。



        ■■■

 廃墟のような真っ暗い城のなかを燐は歩いていた。歩いているとどこから現れたのか女の人が燐を呼び止めた。

「燐、闘ってきたようだな。」

燐は冷たい目で女を睨みつけた。

「それが何?なんか僕悪いことしたかな。」
「いや、あの方に恥をかかせないようにと言っているんだ。」

女は燐に睨み返す。

「だったらあれが直接でればいいだろう。だいたい力があるんなら僕等にやらせないであれがやればいい話じゃないか。」

「私だってそう思うさ。ただ…あの方が何を思っているのか、それがわからないのだ。」

燐はフッと笑って去っていった。