PR
複雑・ファジー小説
- Re: 終焉へ向かう幻獣たち—— 【オリキャラ募集中!!】 ( No.21 )
- 日時: 2013/01/31 22:01
- 名前: ガリュ (ID: 7VvLld12)
第2話 『謎の事件と能力者たち』【1】
「本当の——こと?」
夏華はわざとらしく微笑みながら聞き返してきた。
「ああ、ナギのことやお前が倒れていたことを聞きたい。」
夏華は「ああ」と言って窓の外を見た。
「——まず、あの子は人間じゃないわただ人間の感情を入れただけ。あの子、元は魔力の源(まりょくのいし)から出来ている。ナギは…
人間じゃない。
魔力の源を私達の力で身体をつくり、そして人間の感情を入れて出来上がったのよ。あの魔力の源を守るためにつくられただけの存在。」
夏華の顔は笑っていたが、その藍色につつまれた瞳の奥は悲しそうだった。焔は表情を変えずにただ夏華を見つめているだけだった。
「何から守るんだよ。」
焔は問いかける。
「それは——、テロリストや悪質な奴から守るため…そして暗黒の教団から守るため。そして、私が倒れてた理由は、源を狙う奴等にやられたのよ。そう、暗黒の教団に。」
「ナギは?」
「わからない。ただ、あの時ナギを逃がして…今は行方がわからない。もしかしたら捕らえられてかもしれない。
——そして私はやられたわけよ。」
焔は言い終わったような顔をしている夏華をまだ見つめていた。そして溜息をつくと夏華を冷たい目で見た。
「それで終わりか?」
「え?」
「おまえが倒れていたとき、他の奴の血のにおいがした。」
「……わからないわ。でも悪魔がいたような——。よく思い出せないわ…。ただ、気をつけて——。」
その帰り、焔はまた路地を歩いていた。
その時——。
PR