複雑・ファジー小説
- Re: 終焉へ向かう幻獣たち—— 【オリキャラ募集中!!】 ( No.23 )
- 日時: 2013/02/02 16:01
- 名前: ガリュ (ID: 7VvLld12)
第2話 『謎の事件と能力者たち』【3】
「あいつは地獄で死者を管理する仕事をしていた。だが大きな犯罪を犯したからな。地獄から追放されたのだ。番犬の私は見ていたよ。」
「ケルベロスって冥界の番犬じゃないのか?」
ケルベロスは気にするなという顔で焔を見た。
「追放された仕返しにでも、と地獄に行こうとしたが結界が強く入れなかったんだろうな。そこで私を狙ってきたのだ。番犬であり、鍵である私をな。」
「そういうことか。でもなんでコイツにとりついていたんだ?」
「この娘はたぶん、幻獣使いのなかでも力のある奴そうだ。」
ケルベロスは倒れている黒髪の少女を見下ろして言った。
「幻獣使いなら幻獣を宿しているはずだ——。なのに何故」
「まあ、何かあって幻獣の力が弱まっていたところをとりつかれたのだろう。」
すると、今まで黙っていた茶髪の少女が話しかけてきた。
「貴方、焔…君ですよね。それにこの女の子…水瀬さんですよね。私は篠崎夜海です。」
「ああ、アンタ白崎宮学校の制服だもんな。アンタのことは知らないけどね。」
「…」
沈黙。
すると、水瀬の水色の瞳が薄っすらと見えた。どうやら目を覚ましたらしい。少女はよろよろと上半身っを起こす。
「うう…私……?」
「目を覚ましたか、水瀬千羽夜(みずせ ちはや)。」
焔は彼女の生徒手帳を彼女の目の前に見せた。水瀬は少し驚いたような困った顔を浮かべていたが次第に理解していったようだ。
「あ、ありがとうございます。」
水瀬がふと、空を見上げる。それにつられてみな顔をあげた。そこには一面の星空が広がっていた。
焔は星空を見て思い出したかのように、立ち上がった。
「あ、そうだ、俺は行かなければならない。お前等は人通りのある場所を歩いて帰れ。」
急な事に少女達は驚いていたが頷き、表の人混みへと消えていった。
「さてと…本当に面倒だなお前等は。」
焔の藍色の瞳の視線が後ろへ向けられた——。