複雑・ファジー小説
- Re: もしも俺が・・・・。 『始まりの鐘が鳴る。』 ( No.14 )
- 日時: 2013/02/12 23:52
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
————第2幕 『もしも俺が自分の世界を紹介するなら……。』————
「パート1。」
————皆様、おはようございます。こんにちは。こんばんは。
私の名前は黒川だ。覚えているかな? 覚えて頂けたら光栄だ。
さて、今日はさっそく『もしもの世界』に、と言いたいところだが、残念ながらそうもいかない。
そう、私だって学生だ。朝は学校に登校しなければならないのだ。
皆様忘れがちだが、私はれっきとした中学生だ。まだピチピチの14歳なのだよ。
身長170㎝。体重53kg。髪は短めのクセ毛。色は黒。瞳の色は青。
私の実体のイメージが出来たかな?
皆様には私の姿が見えないから説明しとかないとな。
さて、では登校の準備を始めるとしよう。すまないが、私の家の外で待っていてくれ。
さすがに私とて、プライベートを見られるのは恥ずかしいのさ。さぁ、出てった出てった。
————————。
————はい、お待たせしたな。では行こうか。
ちなみにここ、私の家から学校までは約30分はかかる。
それまで無言というのも暇だろう? だから私の事について少し語ろう。
私は現在、一人で生活している。一人暮らしというやつだ。
母親と父親? 残念ながら不在だ。詳しいことはその内話をするとしよう。
確か第一幕で、私は元々『名前がない』ということを皆様にお伝えしたな? それには理由がある。
多分元々は名前があった、と私は思っている。だが、ある年齢以下の記憶が私にはなくてな。
確か小学生のいつだったか……それさえも曖昧だ。
だが、なぜか私の頭の中に、『黒川』という名前だけは強く頭に残っていたのだ。
だから私はあえてその名を名乗っている。もしかしたら私の名前の一部かもしれない。
もっと言うならば、私の家族の名字が「黒川」だったのかもしれない。
だから強く残っているのか、あるいは……。
いや、余計な詮索は止めておこう。いくら考えても、確かめるすべはないのだから。
ここが『本当』の私の家ならば、玄関の表札やらで確認が出来るのだが、残念ながら違う。
ここは私が記憶を失った後、友達の協力を得て、ここに寝泊まりさせていただいているのだ。
本当の家はどこにあるのか、今もそれは謎である。
……さて、そんなことを言っている間に着いてしまったな。
ここが私の学校、『元地山中学校 (がんちやま ちゅうがっこう)』だ。
建てられてまだそんなに経ってないから、建物自体は綺麗だよ。
校舎の外の至る所に花が植えられており、
中央広場には噴水もある、雰囲気の良い学校だ。
校舎に入る時は、下駄箱に自分の靴を入れ、スリッパに履き替える。
実は、前までは専用の靴があったんだな。
だが、どっかの誰かさんが調子に乗ったせいで、スリッパに変わったのさ。
ちなみに言っておくが、私じゃないからな?
3階に上って、廊下を少し歩いたところにある私の教室、『2年B組』。
今日も遅刻することなく登校できてよかったよ。さて、早速入るとしよう。
クラスの中は、いたってシンプル。
一つの教卓、40個ある椅子と机。そして教室の前と後ろに一つずつ黒板がある。
私の席は、後ろから数えて2番目の真ん中あたり。ちょうど良い位置だと個人的には思っている。
自分の席のところに到着し、座ろうとしたところであった————。
「よっ、黒川。相変わらずおせぇなお前は。ちっとは俺を見習えよ?」
ふとかけられた声に反応し、後ろを振り向いてみる。
————いや、振り向かなくても、『あいつ』だと分かっているんだけどな……。