複雑・ファジー小説
- Re: 機械仕掛けのマスカレード ( No.13 )
- 日時: 2013/01/30 19:42
- 名前: リリィ(少女T) (ID: 2GGQ3F7r)
第一章
第一話「BraveChildren」
-sideA-
・・・何かが聞こえる
「---・・・?・・・!」
人の声・・・?やけに機械じみた声は何かを訴えているかのような、
そんな気がした
「-・・・さい!・・よ!」
しかし俺は疲れた、無視することにする。
「いい加減起きてくださいよ、マスター!」
・・・ん?なんだって?
???「こらぁ!起きろぉ!!」
シンスケ「うわぁ!?」
耳元で怒鳴られた。いや、正確には手に持っているケータイからイヤホンを通して怒鳴られたというべきだろうか。
しかし、俺は誰とも通話はしていない。となると声の主は明らかで・・・
シンスケ「なんだよフラン、朝っぱらからうるさいな」
フラン「もう昼の一時です!あ、それよりメールが来てますよ?」
こいつはフラン、数年前に俺と妹で作った人工知能なんだが(正確には妹がほとんど)作っときながら
いやぁ・・・失敗したなと思う。
フラン「寝ぼけてないで早くメールを確認してください」
シンスケ「フラン代わりに読んでよ」
フラン「嫌です。なんで寝坊野郎のためにメールを読まなくちゃならないんですか?私には分かり兼ねますね。」
シンスケ「・・・」
こんな高性能AIがなんでここまで口が悪くなったんだろう、それこそ分かり兼ねる。
何回ゴミ箱に放り込んでも、何回アンインストールしても少し目を離すと何故か復活しているのだ。
妹のPCにバックアップでもあるんだろうか?
シンスケ「口の悪いヤツだな、いっそのこと作り替えてやろうか?」
フラン「・・・あぁそうですか、それならこっちも策があります。」
・・・すごい嫌な予感がする
しばらくすると、向かいの部屋から
「きゃあぁぁぁぁぁ!!?」
シンスケ「!?」
フラン「ふふふ・・・」
ドアが開いたと思うと、俺に向かって何かが飛んできた。
——バキッ
・・・痛いってもんじゃない、
ほとばしる激痛って感じ。
???「バカ兄ぃ!最っ低!信じられない!」
加害者は目の前のコイツ、妹のハクアだ
敵対心むき出しのザトペック投法には狂気すら感じる。
床に崩れて寝っ転がっている俺の隣には金属製の目覚まし時計。こんなものを投げたのか、物騒な・・・
ハクア「不潔!変態!なんてことするの!?」
貴女こそなんてことするんですか、あと少しで病院行きだったよ・・・
・・・ん?
シンスケ「フラン・・・お前何した?」
フラン「マスターの秘蔵フォルダのデータを妹さんのケータイに送りました。」
シンスケ「Oh・・・」
目の前が真っ暗になった、いや割とマジで。
なんてことしてくれたんだ、こいつは
妹のスチール製剛速球を顔面に食らって俺は完璧に目を覚まし(当たり前だ、これで起きない奴はいない)
メールの内容を確認する
差出人の名前を見て驚愕し、内容を見てなおも驚愕した。
このメールから俺の人生は変わっていった・・・
