複雑・ファジー小説

Re: OUTLAW 【んーと、いろいろ受付中?w】 ( No.144 )
日時: 2013/04/19 23:04
名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)

そっ、そんなに言ってもらえると嬉しい半分恥ずかし半分って感じですっ!www

ありがとうございます、本当にめちゃくちゃマジで嬉しいっす!!w



オリキャラ・・・ですか・・・。

そのうちにまた募集する機会があるかもしれませんね、今はいっぱいいっぱいですが、余裕が出てきたら・・・って感じです

もしそのときは、ぜひぜひ宜しくお願いしますww


では、お話の続きを。












「このビオトロープには抜け道があるんだ。俺たちと真くらいしか知らないんだけど。あとで教えるけど、ここには直接校庭に繋がっていないところがある。ほら、校庭の東側に運動部たちの部室が並んでるだろう?」

 確かに校庭の東側には運動部の部室が連なるプレハブがある。部室の割りに所有面積が広くて今日の体育のときに驚いたのを覚えている。

「あの建物の非常口は、このビオトロープに繋がっているんだよ。でも、高嶺高校は今までに部室に人がいるときに避難するようなことは起きてなかったから、運動部たちもその非常口がーのどこに出るのか、把握していないんだ。いつもは立ち入り禁止だしね」

 学校の仕組みを上手く利用しているということか。

「しかもあの部室棟は昇降口と繋がっているから、そこから一番近い1学年の校舎に入って渡り廊下を通って体育館に行って、それを突っ走ってプールに到着。目的を果たして帰るときはわざわざこっちまで戻ってこないでいいから。その頃には警備員も最終段階で上のほうにいるだろうし、堂々門をくぐるから。そのときの道を確保するのが俺の役目だよ。だから、途中で俺は別行動」

 昇降口は、東側も西側も1年、2年、3年と全て一緒。それからの道でそれぞれの校舎へと行くような形になっていた。そこが部室棟に繋がっていても、何もおかしくはない。今回は多分方角的に西側だろう。

 ・・・だが。

「待て。それじゃあ俺が引きつけるのは1年の校舎の警備員もってならないか?」

 今、空悟は確かに1学年の校舎に入って渡り廊下を通って、と言った。なら、1学年校舎を見回る警備員も遭遇する可能性があるのではないだろうか。

 俺は体育館などを見回る警備員1人と聞いていたから、少し話しが違ってくる。

「1年のとこの警備員・・・?・・・あぁ、そうか。そこは心配しなくて大丈夫だよ」

 何故か空悟は笑い出し、俺の質問に答えていない形で返答してきた。
 え、何か俺笑われるようなこと言ったの?つか、教えてくれないわけ・・・?

 結局俺はどうすればいいんだろう。

「そうだな・・・。何かあったら1年の校舎に行って。そしたら何とかなるから」

「は・・・?」

「じゃあ、行こっか。奥入ってきたらフード被れな」

「お、おい、空悟「シー。静かにして」

 そう言われてしまうと、俺はもう何も言えない。

 大体の行動は把握したものの、何となく不安が残る形となってしまって俺は些か煮え切れない気持ちになった。

 空悟と俺が立ち上がると、少し遅れて普通の流れで理人と社井も立ち上がる。誰も俺らが知り合いだなんて思いもしないだろう。見事な演技力だ。

 そのまま空悟が歩き出し、俺はそれについていく。少し路線を外しながらも、それでもこちらへと近づいてくる理人たち。

 確かに校庭へとは少し外れた方向へ序所に近づいていく。

 まるで森の中でも歩いているかのような感覚に陥りながらも、俺は淡々と歩き続ける。

「ここ」

 空悟が振り返って指差したところは、上手い具合に木々に隠れている隙間だった。確かに人1人なら通れる。

 俺らは木と木の間に入り込む。何だか変な感覚だった。あれかな・・・ウサギを追いかけているアリスはこんな感じだったのかもしれない。空悟を筆頭にフードを被り始めたので俺もできるだけ深くフードを被った。

 隙間に入ってすぐに見えた扉。鉄で出来ていて半透明の向こうが見えない窓がついている普通のドアだ。何かもうこんなドアが木の隙間の間にあるとかもう、本当、・・・何か嫌だ。

 窓の向こうは真っ暗で、後ろにいる社井の手が俺の服の裾を掴んだ。いつぞやかの梨緒みたいだなと思いつつ、振り返ると、

「ご、ごめんなさい・・・少しだけ・・・」

 とその青い目を潤ませながら見上げてきた社井に頬を赤くするなどあるわけがないだろ?何言ってるんだ、馬鹿。

 仕方が無いのでそのまま前を向き直り、あとで理人に変わってもらおうと思った。

「行くぞ」

 小さく声をかけた空悟に反応する声は1つもない。むしろそれが、肯定の意味を持っていたのだ。

 ドアが開き、足音を立てないように注意を払いながら学校内へ忍び込む。

 部室棟の中は、電気が1つもついておらず、社井の手の力が一層強まった。

 「出入り口」を示す天井に浮かぶ緑色の電気や、廊下の隅に置いてある消火器の場所を示す赤い電気が妙に不気味で、息が止まる思いだった。

 部活に入らない俺が部室棟に入るとは思っていなかったが、こういう経緯で入るとは。

 だんだん冷や汗もかいてきたし、早くこんなところ通り過ぎてしまいたい。

 早くこんなところ抜けたいのに、走ったら音を出してしまうから走れない。それがもどかしくて仕方が無い。

 様々な部活の部室を通り過ぎる。小さな建物だと思っていたのに、案外長く感じる。・・・歩くのが遅いからか。

 社井が後ろで震えていくのが分かる。俺の服の裾を握る手が小刻みに震えていたから。

 それなりに予想はしていたけど、やっぱり不気味だな。

 梅雨のじめじめとした空気も鬱陶しい。

 序所に新たな空間が見え始める。さっきの空悟の説明の通りなら西昇降口だ。

 やっとこの長い廊下も終わり、と思って振り返ると、案外そんなに長くない廊下で、少し拍子抜け。

 そこで一旦止まり、4人が向き合う。

 いつもの明るいイメージはなく、真面目な感じで俺は息が詰まりそうになった。

「じゃあ、俺はこれから別行動取るから。多分真夜もだろう?気をつけてな」

「あぁ」

 小声で言われ、つい小声で返してしまう。

 そのまま空悟は何の躊躇いもなく1人で進んで行ってしまった。

 流石・・・と言うべきか、何というか。俺もこうなれんのかな・・・。いや、言っちゃうとマジで怖いんだけど。

「じゃあ、俺らも行こうか。真夜はもう少し一緒で大丈夫だよね。狛くんのことよろしく」

 何でこいつはこの状況でも笑ってられるんだろう・・・不思議で仕方が無いんだが。

「何がよろしくだよ・・・」

 と強がっておきつつ、実は社井に掴まれていることに逆に安堵している自分がいたりする。

 少しだけ空気が和んだあと、俺らは1年の校舎に入る。

 警備員がいるため俺は無条件で気を引き締める思いだったのだが、何故か理人と社井は普通に歩いているだけだった。

 空悟のときもそうだったが、何でこいつらは1年の校舎の警備員に対して気を張ってないんだろう・・・聞きたいけど、声を出せないので保留にしとこう。

 1つの教室でもかなり廊下を有するらしい。とりあえず1クラス分通り越して、渡り廊下を渡って体育館へと向かう。

 ここらへんで俺は理人たちと分かれることになる。

「じゃあ、このへんで。社井、もし本当に辛くなったら火ぃつけろよ」

「う・・・ん・・・。ありがとう、ございます」

 本当に体調を悪そうにしながら社井は俺から手を離し理人へと歩み寄った。

 また落ち合うことを確認しながら、理人と社井は体育館の奥へと進んでいく。























やっぱり苦手だな・・・ごめんなさい