複雑・ファジー小説

OUTLAW 【参照2000ありがとうございますっ!!】 ( No.200 )
日時: 2013/07/02 14:43
名前: Cheshire (ID: f7CwLTqa)

更新が大分遅れた・・・

定期テストとか修学旅行とかその他もろもろの行事が何かたくさん被って全然進められなかったです、すいません。1発ずつ殴ってください、いや、やっぱりやめておきます痛いの嫌いです、すいません。


とりあえず、続き!








 姫路グループの御曹司とご令嬢。多分この学校1のお金持ちだ。

 あまり人と群れないタイプらしいが、この頃真夜と梨緒ちゃんとよく一緒にいるのを見かける。

 それに、姉である空のほうはかなりの情報通と聞く。

 少しくらい、質問してみるのはどうだろうか。

 と思っていた矢先に、それは果たされないこととなった。

 目の前まで迫った姫路姉弟は、空悟の前でピタリと足を止めて無言で睨みつけ始めたのだ。いくら俺でもこれは声を掛けづらい。

 見詰め合う姫路空と空悟は、全く反対の感情を浮かべていた。

 姫路空のほうは、憎しみや恨み、そういった禍々しいほどの怒りが見られ、空悟はというと罪悪感や後悔という今にも謝罪しそうな表情だった。

 ここって接点があったのか?今までそんな素振りは1度も見せなかったから、全く気付かなかった。

「・・・あ、えっと、元気・・・だったか」

 先に声をかけたのは空悟だった。

 だけど、声をかけられた姫路空は睨むばかりで一向に答えようとしない。弟の姫路優は、姫路空の後ろにいるけど、空悟のほうを全く見ようとはしていなかった。

 返事が来ないことに、気まずさが生まれる。

 どうしよう・・・もしかしたら僕いないほうがいいんじゃないかな・・・と、少し不安になってきた。

 すると、ようやく姫路空が口を開いた。

「よく話しかけられるわね、呆れたものだわ」

 空悟の声の掛け方から考えて、ここは昔の知り合いだったのだろう。

 なのに、この言葉は酷いんじゃないんだろうか。

 そうは思うが、空悟が何も言ってないから部外者である僕が首を突っ込むわけには行かず。

 空悟が唇を噛み締めるのを、ただ見ていることしかできなかった。

「結局葬式にも来なかったものね。お墓参りにも来てないそうじゃない、冷たい人ね。所詮あなたにとってお姉さまはその程度のものだったのかしら?」

「・・・それは、違う」

「違う?今のあなたの立場でそんなことが言えるの?」

 露骨に怪訝な表情を浮かべて、姫路空は空悟を攻め立てる。

 何となく見てられなくて、視線を逸らした。

 アウトロウのメンバーは、何かしらの過去を背負っている。多分、真さんがそういう風に集めている。

 だけど、誰もお互いの過去を知らない。知りたいとも思わない。自分の過去を知られてしまうのを恐れているからだ。

 もしかしたら、というか俺の勝手な予想だけど、今この状況は空悟にとっての過去と、関係があるのではないだろうか。だったら僕は聞かないほうがいいはずだ。

「・・・でも俺は、百合を「やめて」

 姫路空の表情が変わる。憎しみの中に悔しさや悲しみが混じる。

「お姉さまの名前を、呼ばないで」

 その言葉に、空悟は言葉を飲み込んだ。

 百合、というのが姫路姉弟の姉にあたる存在なのだろう。空悟が今の言葉に何を続けようとしたのかは分からない。

「・・・姉さまを、殺したくせに」

 姫路空の声は小さすぎて僕にはよく聞き取れなかった。が、空悟は聞き取れたようで、目を大きく見開いていた。

 何かを言い捨てた姫路姉弟は再び歩き出して去っていった。

 取り残された空悟は俯き、手を震わせていた。

 どう話しかけたらいいか分からず、動揺してしまったのは不可抗力だ。

 数分にも感じたが実際は数秒だろうという時間が過ぎて、空悟が顔をあげる。

 もうそのときにはいつもの明るい空悟に戻っていて、

「待たせちまったな、ごめん。行こっか」

 なんて言うから。

 僕は何も言えなくなってしまうんだ。

 友達なのに、支えてあげられなくて、ごめんね。

 でもそんな謝罪の言葉も言えなくて。

「おう」

 笑顔でそう返すことしか、僕にはできなかった。

***

 視界が開い・・・た?

 瞼が開いた間隔があるのに、


 視界は暗いまま。


 何で。何、暗い?

 今、僕は、暗いところに、いる?

 真っ暗で、何も見えない。

 何も。何も、何も、見えない。

 どこ。ここはどこ。

 ・・・お父さん。お母さん。スノウ。どこ。

 僕を、1人にしないで。

 嫌だ、嫌だよ・・・。

「あ・・・」

 自分の声が聞こえた。

 身体が震えた。

 酸素が身体に入ってこなくなった。

「いや、ぁ・・・・」

 暗いの、真っ暗なの。嫌いなんだ。

 だって、真っ暗な闇は


 僕の大事なものを、全部奪ってしまうんだ。


「あ・・・あ、あっ・・・・・・・・・・」

 目が覚めたらみんないない。

 どこ・・・。僕の大事な人たちは・・・?

 やっと見つけた僕の居場所・・・みんなの隣・・・。

 ・・・ねぇ、一体どこに行ったの・・・?


「・・・っ・・・・う・・・・あぁぁぁぁぁああああああっ!!!!」


 そしてまた真っ暗な闇の中で、

 僕の意識が途切れる。

***

 夕方6時。

 俺はあの宿題女の言った通り中央公園噴水前に来てしまっていた。

 アウトロウに1度帰り、空悟と理人はいなかったので梨緒に「ちょっと出かけてくる」と宣言し、そのまま出てきてしまった。

 そういえば、宿題女は「夜」としか言っておらず、時間が指定されていない。しかも「ヒント」というのが物体なのか人物なのかそれすらも分かっていない。そう思うと、かなり危ない橋を渡っているように思える。

 噴水前は、多からず少なからずの人数の人々がいた。家族がいれば友達同士もいるし、恋人たちだっている。ふざけた不良共には喧嘩を売ってみたかったが我慢した。

 でもとりあえず、ここに高嶺高校の生徒がいるとは思えない。やっぱり、あの宿題女に騙されただけか。

「ねぇ、お兄さん、1人ー?」

 知らねぇ女に話しかけられる。

 ・・・何か、久しぶりだな、こういうの。

 今までアウトロウの奴らとずっと一緒で、1人になる機会なんてあまりなかったから、知らない女に遊びに誘われることだってなかった。

「悪ぃ、用事あるからさ」

 気が向いたら飯くらいなら付き合ってやれるが、今の俺にはアウトロウがある。今日の夕食当番が誰だかは忘れたけど、当然俺の分も用意してくれているはずだ。だったら、外で食べてきてしまうのは何か申し訳ない。

「えー?いーじゃん、遊ぼうよー」

 無駄に化粧が濃くて派手な服を着ている女は、きっとこういうのに慣れているんだろう。

 面倒な奴に捕まったな、と舌打ちしたい気持ちを必死に堪えた。

 結構可愛い感じだし、昔だったら断ることなく「いいよ」と答えていただろうな。でも、今となっては絶対梨緒のほうが可愛いと思ってしまう。

「いや、マジ無理だって。悪ぃな」

「おねがーい」

 腕を絡めてきた女を、そろそろうざったらしくなってくる。

 振り払うのは簡単だが、何となくそれは避けたい。元々女に手を上げる趣味はないのだから。

 ・・・でも、そろそろ面倒だ。

「おい、放せよ」

 とその時、突然見知らぬ声が聞こえた。

 男にしては高い、女にしては低い、とても中性的な声だった。















・・・分かりづらい感じになってしまいすいません

飽きずに呆れずによろしくですw