複雑・ファジー小説
- Re: OUTLAW 【参照2000ありがとうございますっ!!】 ( No.201 )
- 日時: 2013/07/07 14:42
- 名前: 007 (ID: pyHrCXZU)
葉隠空悟エピソード「白きクリスマス」
12月
葉隠空悟が、机でうつ伏せで寝ている。普通の高校生ならこれくらい「学校面倒くせぇ〜」等と呟いているが、俺は学校等当たり前と言う一般高校生としか言いようがない。空悟は起き上がり、窓の天気を見る。相変わらず、天気は晴天、何故なのか?。12月に入ったのだから晴天ではなく雪が降るのでは?と天気を愚問に思う。まぁ天気が雪となっちゃあ何も得はしない。っと空を見ながら顔が抜けている様にのんびりとした顔になっている。そりゃあそうだ、何もない一日が幸せなのだからっと改めて思う……。
「く〜うご君!」
「ん、ゆr「ばぁ!!」うわぁぁぁぁぁぁ!」
空悟はひっくり返しながら転ぶアニメでありがちな転び方をした。まぁ、鬼の面が俺の視界範囲を埋めるほどの近さだったから驚くのも無理もない。ただ、目立ちたくはなかった。すると鬼の面を被った人が…
「えへへ、驚いた?」
「当たり前だ、あんな近くに鬼の顔でたら今頃口から魂抜け落ちる所だったぞ…」
「だけど空悟君のあの驚き方ってちょっと新鮮だねぇ」
「あんな驚かせ方も至って新鮮でしたけど……」
っと少女がボケて俺がツッコむと言うのがお約束なのかお決まりなのかはどっちでも良い。空悟は自分の頭を撫でイテテっみたいな顔をする。皆こっち見てないけどメッチャ笑ってる、堪えてねぇよ。っと突っ込みたいぐらい俺のクラスは見て見ぬフリが下手くそなのだ。俺も含めてな……。
****
放課後、俺の部活は顧問の先生が出張という事で部活はない、それにいたって俺の通っている部員は勝ち誇ったかのように他の部活を見下すようなアンポンタン顔をしていた、今にでもこの後ぶっ飛ばされそうな脇役キャラみたいな顔をしていた。俺はその脇役すら超えていないのかもしれない立場。言わば、ドラマの感動シーンの時、路上でただひたすらに携帯を打ちながら素通りする男となんら変わらない立場であろうが、何故かあれが(鬼の面で驚いた時転んだとき)一見として少し人気となったらしいが、皆メッチャ見てみぬフリ下手くそだった。俺は購買部で買ったコーヒーを飲みながらバックに教科書を入れる。
「空悟君、もうすぐクリスマスでしょう!、その時デートしようよ!」
「ブッ!……ガホッガホッ!」
今何といった…っと今にでも呟きそうだったが生憎コーヒーが吹きそうだったのでそんな暇ではなかった。こいつは皆と違って見てみぬフリが下手くそなだけじゃない、この女は理解できないのかぁ!!しまったぁ!!よく見ておくんだったぁ!!っと心の底で苦しみかける。
「ゴ、ゴメン。もう一回言って?、コーヒーの勢いでとんじゃったぁ」
「クリスマスデートだよぉ〜!ほら、付き合い長いし」
あぁ〜もうそんな時期になったのか、早いなぁ〜。空悟は空を見て、過去の思い出が振り返られる。俺もクリスマスでも暇だからな、っと空悟は笑顔で微笑む、女の子「百合」を見つめるっと、百合は少し驚き、顔が赤くなっている。
「………いいよ、クリスマス位、彼女を掘っといて如何するってんだ?」
「やったぁ〜!!、クリスマスが楽しみだよぉ〜」
っと百合ははしゃぎながら空悟の手をブンブンッと振る!。今時「嫌だ」っていったら相当悲しんでたに違いない。それどころか、百合に嫌な思いをしてしまうのも、俺として情けないのだ。空悟はバックを持ち、立ち上がる。
「百合、一緒に帰るか?」
「うん!」
っと嬉しそうな顔で目を輝かせる。
夕日も今日に限って美しく見えたような気がする。
だがそれも、狂う時への道とは、気付くはずがなかった———
****
12月 クリスマス
俺は公園の時計台に待っていた。スパイをしている者見たいに腕時計を鋭く見る。この腕時計はスイス土産の高級品といっているが、現時点で土産といっちゃあいけないものを買ってきてしまった父親の失態を見るのが俺も少し泣けてくる。
百合は服の選択で長い時間を取るタイプなのでこういうのは慣れている。百合と六年間の付き合いだ。何十回やらされたか、こういうの。
PPPPPPPPPPPッ!
っと思っている間に携帯がなる後から……
「空悟君〜!!」
っと右側で走って手を振ってる百合を見かけると、携帯の着信を後にし、信号が青になり、百合は走る。
百合はもう疲れ尽ている状態で少し鈍くなる。
だが百合は汗にとも鳴く元気な顔で走る。
そして、百合が抱きしめようと手を翼のように広げる様に走る
が…………
キィィィィィィィィ!!!!
ドンッ!!
時が止まったかの様に、俺の目は、いつでも百合が映っていた。だが、百合がだんだん薄く消え、あの笑顔も無くなってゆく……
俺の隣にいた、百合は………どこへ………
俺の目の前に居たのは、赤いアスファルトの上に倒れている百合の姿だった……
「…………嘘だろぉ……」
っと俺は百合に駆け寄る事もできずただ呆然と百合の所へと歩くだけだった。
そして俺は百合の体を抱かえる。そこには、目を瞑った何も変わっていないただの百合の顔であった。
「…………っぅ………」
「!!…百合ィ!!」
百合の意識が残っていて、だが今にでも苦しいような顔をしている。
「……く……うご……君」
「喋るな!、今……救急車を……」
っと周りを見渡すが、百合の手が俺の頬優しく触れる。
「いい……もう……いいんだ……よ……」
「何がだ!、お前とデートするっていったろ!、だから!!」
「私は……十分だよ……」
「………え?」
俺は、まだ驚きを隠せない。百合はもう切れ切れと意識が消えかかっている。
「やっと……抱いて……くれた……」
「百合……」
「私……嬉しい…よ…………だけ……ど………渡すまで……は……一緒に……いたかった……」
百合は笑顔で意識が朦朧とし、もう限界までいっただろうが、何故そこまで…笑うんだ?
「だけど……十分だ……よ…………くう……ご……君が……いてくれ……る……だけ……で……」
「もう……もういいから、話すなよ……百合」
「私は……も……う……駄目……だけど……最後ま……で……言わせ……て……」
空悟は抱きながら頷く事しか、できなかった。
「私………空悟……君……が………好き……だ………った」
「!!」
空悟は百合の発言で空悟は泣く。
「あり………が……と……う……空悟……く…………ん………」
そしてその最後の言葉で、百合は絶った。
「百合ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!」
その後……
百合の葬式の席に立つ事はなく。家を出て行った。
「百合………俺は………守れなかった………ごめん……こんなに情けない男で……」
それに、あの時最後に言ってくれた言葉は、まだ俺には身が重過ぎるのだ。