複雑・ファジー小説
- Re: とある天才のイミ ( No.3 )
- 日時: 2013/02/11 21:38
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: qXcl.o9e)
「……なんでやねん」
関西弁で突っ込む私はさぞかし可笑しかっただろう。
ことの始まりは帰宅してからだ。親がお仕事で忙しく、高層マンションで一人暮らしを余儀なくされている私にお母さんから荷物が届いた。いつもなら食料品とか生活費とかを送ってくる。いつもなら。
と、いうかうちの親は可笑しいと思う。いくら家事とかができても小6の子供に一人暮らしさせるかね……。お母さんがたま〜に帰ってくるから一人暮らしではないのだろうけど。
さて、話題を戻そう。
食料は1週間に一度ぐらいのペースで届くし、生活費は1ヶ月に1回。食料は昨日届いたし、生活費だって一週間前送られてきたばかり。つまり、何か別の物が送られてきているのだろう。やけに軽いし。入ってないのかもしれないぐらい軽い。……嫌がらせか?
まあ、開けてみるとそこには白い封筒が入っていた。わざわざ宅急便で送ってこなくてもいいじゃん……。お母さん、変わってるし仕方ないか。
その白い封筒には「To.ナツミ」と丸いお母さんの字で書かれていた。封筒の中には勿論手紙が入っていた。そして、黒光りするキャッシュカードも入っていた。
黒光りするキャッシュカード……つまりは「ブラックカード」だろうか? ブラックカードはお金持ち、なんか大手企業の社長とか私達庶民からは遠い雲の上の存在が持っているものじゃ? なんでお母さんがもってんの……。盗んだのか?
カードの裏には「柊 ナオ」と書かれていた。つまり、お母さんのだ。ありえへんわー。絶対違うてー。
しばらくの間ずっと違う違うと現実逃避(?)をしていたのだが、肝心の手紙の存在を忘れていたことに気付いた。ブラックカードと一緒に入っていた手紙を読むとその文はお母さんらしくて頬が緩んだ。
『To.ナツミ
元気にしてるかしら? お母さんはバリバリ元気よ! 最近腰が痛いけどね(笑)
それより、ビックリしてるでしょ! いきなりこんな手紙、そしてブラックカードも入ってるんだから!』
腰が痛いって、ババアかよ! ってもう46か。そしてうん。ビックリしてるよ! てか、やっぱブラックカードだったんだ……
『お母さんがブラックカードを何で持っているかというのはね……』
持っているのかというと……?
『お母さん、実はアンドロイドの開発チームの一員なの!』
……へ? え、ええええ!!
「聞いてねぇよ!」
『ふふふ。ビックリしたでしょ♪』
「ビックリするにも程があるわッ!」
『だから持ってるの♪ 特別だからね。
そして、なんでカードを手紙と一緒に送ったのかというと……』
私、何手紙に突っ込んでるんだろ。すごい……虚しい。
『アンタにアンドロイドを買わせるためよ!! (どやっ)』
「……なんでやねん」
(どやっ)ってなに? 受け狙い? つーか顔文字使えよ。
てゆーか、アンドロイドを買わせるためって……。要らないのに、あんな何考えているのか解らない物体。一緒に過ごすなんて嫌だ。
慣れれば何とかなるんだと思う。あくまでも思う。
『拒否権は無いわよ! 拒否したら生活費の仕送りストップよ!』
お母さん、貴女は娘を殺したいんですか?