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複雑・ファジー小説
- Re: 人魚姫の幸せ ( No.12 )
- 日時: 2013/03/15 16:03
- 名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)
【No,Ten】
あの後、結局愛華はもう一度眠ってしまい、其の侭夜に成ってしまった。
「愛華ちゃん、元気無いねぇ」
「…そうですかね」
「うん、そうだよ」
「別に、そうでもありません」
「ツンツンしてるね、相変わらず」
「其れ、褒め言葉ですよね」
「うーん…」
「何ですか…行き成り唸り出して」
「俺的にはもうちょいデレが欲しい」
「…本当に死んで下さい」
そう言って、愛華は愛用の銃を取り出し、迷わず引き金を引いた。
「……——ぶないよ、愛華ちゃん」
「危なくなる様に撃ちましたから」
愛華が撃った銃弾は、店主の首ギリギリの場所を通り、バーの古い壁に埋まっていた。
普通の人間ならば腰を抜かす筈だが、店主は何時も通り、ニコニコと笑っていた。
「もう、店の中で撃たないでよ」
「…別にいいじゃないですか、消音機着けてますし」
「いやぁ、其の問題じゃなくて…」
真夜中のバーでの会話は、静かな裏道に意外と響いていたらしい。
「…本当に死ねば良かったのに」
「うわっ、結構酷いね…」
「今に始まった事じゃありません」
「えー…昔はもう一寸素直だったかも」
「………本気で撃ちますよ」
「ちょっ…銃、取り出さないでよ」
【愉快なお話は、其の内消えちゃいそうで】
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