複雑・ファジー小説

Re: 【イメージ曲募集中】人魚姫の幸せ【シリアス】 ( No.27 )
日時: 2013/03/10 10:00
名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: vysrM5Zy)

【The volume on extra‐遠い遠い理想Ⅰ‐】

未だ、暑さが残る秋の初め頃、男女が一夜を共にする場所、所謂"ホテル"で、今日も何時もの様に愛し合う二人が存在していた。
彼女の口から零れる艶やかな声、其れが彼を一層煽り、行為は激しさを増した。

…情事後、ホテルの一室からは此の場に相応しくない、何ともアホらしい会話が聞こえて来た。

「…っ暑い……!」
「しょーがないよ、シた後だか」
「其処、規制しろよ」
「別にいいじゃん、優理だって感じてたし」
「うわぁ、言うなっ変態翔!」
「…ツンデレ…可愛いね」

「ん…ありがと?」
「ははっ、また襲うよ」
「こんのっ!ムード壊しやがって…」

彼女、優理は、傍らに在った枕を彼、翔に投げ付け、シーツを肩まで掛けた。

「…また寝るの?」
「寝るー」
「じゃあ俺も」
「ちょっと、何で超近いのよ」
「だって寂しいんだもん」
「子供みたいな事言うなっ」

「ねぇ…優理」
「…何よ、行き成り真面目に成っちゃって」
「キスしよ」
「………何言ってんだよバカ野朗」
「駄目?」
「う…………」
「ねー、良いよね?」
「う…ん……」

優理がそう小さく頷くと、翔は満足気に笑顔を浮かべた。
そして、少し変わった幸せに包まれながら、2人のシルエットが月明かりに照らされながら重なった。

【幸せを手に入れて、幸せだ】