複雑・ファジー小説

Re: 【イメージ曲募集中】人魚姫の幸せ【シリアス】 ( No.28 )
日時: 2013/03/15 16:21
名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)

【No,Nineteen】

嗚呼、私は何て嫌な人間なんだろう。
何時も何時も、自分の都合の悪い時は、其の場から直ぐに逃げ出して、絶対に向き合おうとしない、ずるくて臆病だ。
本当はちゃんと向き合いたいけど、私には出来ない。

そんな事を考えていたら、何だか意識が遠退いて行った。
疲れや靴擦れで視界が霞み、床のタイルがひんやりと冷たい。
愛しい声が脳を揺らし、支配し、私を夢へと導いた。
意識が無くなる直前に、何処かで聞いた事が在る笑い声が私に語り掛け、薄く消えて行った様な気がした。

(独りぼっちはやだよ)
(知ってるよ、愛華は何時もそうだから)
(じゃあ、未だ)
(其れは無理)
(…何、で…よ)

(駄目だから、俺が駄目)
(……バーカ)
(バカって…子供みたいだ)
(あんたなんかバカで良いのよ)
(そっか)
(うん、そう)
(愛華ー)
(ん、何よ…)

(         、      )

(…………バカの癖に)
(気取っちゃったりして、さ)
(…ホントに、ばいばいなの?)

(ねえ、ばいばいじゃないよね)

ハッとした時、私はもう抑え切れなかった。
溢れそうな此の感情は、きっと私の中でずっと今迄蓋をされて来たんだ。
そして、今、蓋は外れるだろう。

…駄目だ、出てきちゃう。
どーしよ。
出たら止まんないのに、止められないのに。
何か熱いモノが瞳から零れ落ち、其の侭冷えた頬を伝って行った。
其れが涙と気付かない私は、異常だと自分で思った。

【此の侭一生、傍に居てくれたら】