複雑・ファジー小説

Re: 人魚姫の幸せ ( No.3 )
日時: 2013/03/15 15:52
名前: 雄蘭【ゆうらん】 (ID: DzlMUhcv)

【No,Two】

ネオン街の隅に、ひっそりと佇むバーにて。
裏社会で生き続ける彼女、愛華は、独り静かに鮮やかなカクテルを眺めていた。
バーの店主は、何を話す訳でも無く、唯、愛華を見ていた。

「…ちょっとうざいんですけど」
「うざいとは、酷いねぇ」
「誰だって、そんなに見られるとうざいと思いますよ」
「そうかな…」
「だからうざいです」
「…酷いよ」
「どうぞ、酷いと思ってて下さい」
「…俺、ツンデレ好きだけどね」

「………………死ね」

「あらら、酷いね」
「もう本当に死んで下さい」
「死ねって言っちゃ駄目だよー」
「棒読みで言われたくありません」
「仕様が無いね」
「…セクハラ野郎に言われたく無いですよ」

「相変わらず口悪いね、愛華ちゃん」

「…気安く名前呼ばないで下さい」
「分からないでした」
「何ですか、其の変な日本語」
「一応、日本語だよ」
「言葉可笑しいです」

溜息をつき、愛華はカクテルを口に入れ、店主に問い掛けた。

「しかし…此のバー、人、居ないですよね」
「そーなんだよ」
「まあ、こんな変態が居ますから」
「…俺は変態じゃないよ」
「大丈夫です、十分変態です」
「大丈夫って言われてもね…」

【海の中も楽しいけど】