複雑・ファジー小説

参照700突破記念【異世界無職】 ( No.112 )
日時: 2013/04/03 18:58
名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)

「独り立ちをして来い」

「……は?」

そういきなり家を追い出されてはや3日。
現在無職20歳の俺の名はガンジ、自分でもどうしてこうなったか全くわからなかった。必要最低限のものだけ渡されていきなり独り立ちを白だからな、意味がわかったものではない。
とりあえず1時間ほど扉をたたいて粘ったがいつの間にか家の中がもぬけの殻になっているしこれはあれか?捨てられたか?

何故だ、学園にもちゃんと通っていたし成績も中の上をキープしていた。
家の手伝いもしていたし何故卒業して初めての誕生日の日に追い出されなくてはならない。ちょっと悲しくなってきたがめげずにどうにかして生き繋ぐしかないので冒険者ギルドに行こうか?……そうだなそうしよう、とりあえずはこのへんで一番ギルドが近い国、クルトンに行こう。あそこなら平和だしなんとかなるだろう。

というわけで格安の馬車に乗った。今時馬車なんてものがあったことに驚きだが安いので良しとする。

おおねずみA,B,Cが現れた!
馬は暴れだした!
ガンジは放り出された!
置いていかれた!
おおねずみたちが憐れむように見ている!
おおねずみたちに見逃された!
テレーン!戦闘に勝利した!
荷物を失った!金を失った!
ガンジは人生経験値を12手に入れた!
ガンジは混乱状態になった!


………うん怖い、馬車に乗っていたら突如モンスターに襲われました。
その後目を覚ましたら何故かクルトンについていました。
まあそこはよしとしよう、だが金も失ってしまったので安いギルドへの加入金すら払えない。ものもないので売却して金も稼げない。
後であの馬車のやつを見たらぶん殴っておくことにしよう。
どうするか・・・?真面目にやばい。

ん?何だろうか、金属の音が聞こえる。
それは不思議な音であった、鋭いような鈍いような、リズムをとっているようにも感じることができてつい見てみたくなった。
ふらふらと足を進める、そこには一件の店があった。

だが看板もなにもかけていない、けれど営業中と言う札がある。
扉を開けるとそこには一人の男の人がいた。
男は俺が入ってきたことを気に止めずにそのまま槌を振るっている。
振るう場所には赤く溶けた何かがあった。
普段の俺だったらここで恥ずかしくなって店を後にしていただろうが何故だか見ていたいと思った。
何度も、何度も槌をふるって形を整えている。
赤が薄くなったら焼け石に置きまた叩き始める。
それが何度か続いたあと、男は氷がいくつも入った水の中にそれを入れ冷やしていく。

ジュゥゥゥゥゥー!

水が煙を出していた、それが一分ほど続いたあと、水からら出し布でふいていきついに完成した。
すると男は俺にその出来立ての刃物を差し出して

「どうだ?」

そういった、俺は慌てて受け取ったはいいが金がないことに気づきどうしたらいいかわからなくなる。

「え、えと凄いんですけどあの、俺か金無くて」

「なら」

「え?」

「働けばいい、ここで」

そこから俺と彼の修行が始まった。
俺がどんなに看板を出して客が来れるようにしようといっても彼は聞かなかった。まあこちとら雇われの身であったのでそこまで強くも言えなかった。彼の作る武器はどれも参考になった。
しかしどこから稼いでいるのかは結局わからなかった。けどよく居なくなっていたので兼業でもしていたのであろう。

ある日、彼がやろうと言い出した試練の日、俺は今まで習ったことをすべてをつぎ込んで片手剣を作り出した。

「ど、どうですか!?」

「………」

彼は黙ったまま倉庫へといったかと思うと一枚の大きな板を持ってきた。そして俺に金鎚を渡しかと思うとそのまま外へ行き板を店の看板として付けたのだ。「武具屋」シンプルな名前であった。
気が付くと彼はいなくなっていた。何日たっても帰ってこなかった。
その日からである、俺がその店の店長となったのは。

結局彼が何者だったのかは知らない、昔名前を聞いたことがあったがはぐらかされてしまった。俺は今だに彼を超えていない。
けど、いつか会って伝えたい。

「ありがとうございました」

と、

---完

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うん、しくった!どうしようギャグなのかシリアスなのか全くわからなかった。とりあえず彼が誰なの?と気になっている人はいるかもしれません。教えません。
けれど今作品では正体が分かっていない人がいます。その人が彼です。
ちなみに親ではありません。親はコミュ症を直してもらうために1日ほど外で過ごしてもらうために追い出したらそのままどこかに行かれてしまったため現在捜索中です。が、国が違うため多分ずっと見つかりません。