複雑・ファジー小説
- Re: 異世界武具屋【オリキャラ募集】第9話更新 ( No.137 )
- 日時: 2013/04/21 18:13
- 名前: 通りすがりの俺 ◆rgQMiLLNLA (ID: HR/cSb0.)
俺のその発言に一旦眉をひそめたハイドロン君はパントマイムでまるで意味がわからないと示したあと、先程からの道化師のような雰囲気がなくなる。おそらくこれが彼の本性なのだろうか。
だがここでひるまず俺は接していく。
「そこをなんとか」
「渡せない」
「あなたに不利はありませんよ?」
「そういう問題ではない、まずお前が軍に捕まるぞ?」
「残念、私にはちょっと権力を持ったご友人がいましてね」
「そういうのを気にしない軍人の知り合いがいる」
「それなら...イルミス」
「はい」
俺の答えにハイドロン君は少し笑みを浮かべた後、少しよそ見をしていたイルミスさんに声をかける。
それにイルミスさんは慌てることなく反応して腰につけていた銀色の鞘の黄金色の紐を解きひと振りの綺麗な剣を抜き出した。
美しい、そう漏らしかけた。黄金色の鞘と刀身を結ぶ場所には宝玉と言ってもいいほどの透き通り光を放っている青色のマナの塊が見える。
あんな剣は俺には作れない、そんな敗北を感じた。
イルミスさんは試し切り用の木偶が3体並んだ場所にまで歩きスゥと一息吸ったあと、瞬きのあとには木偶という3つの物体は綺麗に6つになっていた。それを見たあとにハイドロン君は自慢げに微笑む。
「彼女は昔、ランク3の冒険者をしていましてねその時に手に入れた《神の作品》ですよあれは言いたい事は分かりますね?」
返り討ちにしてやる、とでも言いたいのだろうか。
確かに俺の知り合いにもランク3級の人はいる、だが実力が同じなら何が勝敗を決めるかといえば武器の質だ。
ただいま葉擦さんがもっているマジックカトラス(あれから改良を加えた)は上質なマナも手に入れられていないこともありせいぜいランク4の品、あれは見ただけでもランク3ほどに値する、もしあのマナが更に恐ろしいものであればもう1ランク上がる。
勝てないかもしれない。
俺は悔しげに歯ぎしりをした。